- 前回のメモで、「Quiet Nights of Quiet Stars/ Oscar Peterson」を採り上げて、ピアノの鍵盤を弾かずに、弦を弾いてイントロにすると言う手を紹介しました。その中で、我等が上原ヒロミちゃんも結構この「内部奏法」と言う遊びをやると触れながら、「探してみたけど、動画が見付からなかった。」と書いたところ、「ココにあるよぉ・・・」と言うメールを頂いたので、ご紹介して置きます。それは、2011年のウィーンでのライブのYoutube動画にありました。
満場からの拍手に応えて・・・
- 直前のトリオでの演奏が良かったんでしょうか、所々で立ち上がるファンもいると言う、満場からの拍手喝采に、ヒロミちゃんも立ち上がって手を振ったりして応えていたかと思うと、ピアノを何やら奏で始めます。「ウゥーーーン・・・コレは、ガーシュインの名曲「I Got Rhythm」だな」、と気付く間もなく、ソロに熱がこもってきます。ヒロミちゃんはタモリのTV番組に出ていた時にも、請われてこれを弾いていましたから、お気に入り曲なんでしょう。いつも通りの表情と動きで、「ピアノを弾くのが、楽しくって仕方ない」という彼女らしい演奏が盛り上がって行きます。この辺のちょっとピアノに淫する感じは、Keith Jarrettとも似通う面があります。
見た限りでは・・・
- 速弾きも交えたソロが展開されて行って、会場が湧いて来たのでやる気が出たようです。6分半くらいの所で急に椅子から立ち上がって、
日本公演でも良くやって見せた内部奏法を披露しています。ココで嵌めこんだ部分よりも実際の小技はもっと長く続き、動画で読み取った感じでは約1分もコレで頑張っています。ここでの内部奏法は、見ている感じではウォーキング・ベース風にやるという趣向で、鍵盤と弦の両方から音を出すべく、視線を動かしながら、出したい音を探り当てている風に見えます。
- 右手で弦を弾くのと同時に、左手で鍵盤も弾くには、結構離れた二つの場所で指を動かすことになり、その両者の音が上手く紡がれて一つのアドリブ・フレーズになっているかどうか、それが見せ場になっていますが、いずれにしてもコレ自体はスパイスというか、お遊びです。
- 打ち合わせ済みだったのかどうか判りませんが、動画で見る限りではベースのANTHONY JACKSONとドラムスのSTEVE SMITHは入らずに、ピアノソロだけでこの12分全体を弾き切っていたようです。
満場のお客さんが、ソロ中は静かにしていたのに、それが終わるとや否やのStansing Ovationでヒロミちゃんの力演を讃えています。
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