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Green Dolphin Street/ Eric Dolphy/ Quartet Featuring Lalo Schifrin?/ (2)


  • この「Green Dolphin Street/ Eric Dolphy」に関するメモは前回の(1)の続きですので、先にそっちをお読みくださると幸いです。
    帰宅して手持ちを調べたら・・・
  • 散歩中に聴いていた「Green Dolphin Street」に面白い引用があったので、そのMP3のID3タグを表示したら「Eric Dolphy Quartet Featuring Lalo Schifrin: Complete Recordings」とあったのだけど、家に帰って棚を調べたらその盤の傍に国内盤で「On Green Dolphin Street/ Eric Dolphy」(Venus TKCZ79043)があり、ほぼ同一内容なのだと判りました。
  • NelsonのDolphy棚には上掲写真のような雑多な盤が押し込んであります。上段の右が散歩中に「家路」の引用に気付いたMP3トラックの大元のラロが参加したとされる盤です。左が自宅に帰って来て見付けた上記Venus盤です。ついでに下の2枚も写真に撮りましたが、左はPhilologyレーベルから出ている、多分Clifford Brownの自宅にDolphyが遊びに来ていた時に、「一寸ジャムってみるかい。」と遊んでいたら誰かがテレコを回していたので残っていた珍品トラックが入っている盤。右は同じくマイナーなWest Windレーベルから出た晩年の「Naima」という、なかなかの良盤です。
    そもそもラロ・シフリンって・・・
  • 「Lalo Schifrin」は確かガレスピー楽団の出で、後に「ダーティー・ハリー」や「MI」と言った大ヒットのシリーズもの映画の音楽を担当して成功した人です。そう言うスタジオ・ミュージシアン系の人とドルフィーとの一見水と油とみたいな、まず有りえない共演と言う点に目を付けて保護した時には、上記Venus盤のことなど想起すらしなかったのです。中身の演奏が気に入ったので、そのまま手元の数千曲入りDAPに入れて聴いていました。
  • 一言で数千曲と言っても、いつもの1時間前後のウォーキング中では10トラック余りしか聴けないので、「ココで会ったが百年目・・・」なんて敵討ちみたいなもので、そう何度も同じトラックにブチ当たることはありません。しかし、件の「家路」が聴こえてくれば脳内の別回路がパッと繋がった訳で、もう一度真面目にこの盤の由来などを確かめる気になった挙句に、ナント、手近に同じ演奏が入った盤を見付けてしまったという、お恥ずかしい限りの展開です。そのVenus盤のライナーは、Nelsonもお世話になったこと大アリの、マシュマロ・レーベルの上不さんが書かれており、その中で「世にラロ・シフリンの関与の噂があるが、それはマチガイだ。」、とキッパリと否定されています。
  • こういう時に頼みになるのが、我が日本人のグループが苦労されて纏められた「Jazz Discography Project」というサイトです。あの上不さんが断言されているんですから、1961年12月1日という録音日付で調べてみると、以下の情報がスパッと見付かり「ナルホド」と唸ってしまいました。
  • その情報は以下のような感じです。このサイトのDiscographyの記載様式をくみ取って、見出しはNelsonが付加しました。
    • セッション名:Eric Dolphy Quartet
    • 参加者
      • Eric Dolphy, bass clarinet;
      • McCoy Tyner as Lalo Schifrin, piano;
      • Reggie Workman as Bob Cunningham, bass;
      • Mel Lewis, drums.
    • 録音場所
      • Uni-Reitschule (Studio 15), Munich, West Germany, December 1, 1961
    • 曲目
      • On Green Dolphin Street
      • Softly, As In A Morning Sunrise
      • The Way You Look Tonight
      • Oleo (as Title Unknown)
      • The Theme
    • 収録盤等
      • Jazz Connoisseur (Israeli) JC 107; Jazz Anthology (F) JA 5234 Eric Dolphy Quartet - 1961
      • Magnetic (Luxembourgian) MRCD 130 Eric Dolphy Quartet - Live In Germany
      • Natasha Imports NI-4001 Eric Dolphy Quartet - Softly, As In A Morning Sunrise
      • Lone Hill Jazz (Sp) LHJ10121 Eric Dolphy Quartet Featuring Lalo Schifrin - Complete Recordings
      • Rare Live Recordings (Eu) RLR 88625 Eric Dolphy Quartet With McCoy Tyner - Munich Jam Session December 1, 1961
      • Unique Jazz UJ 26 Eric Dolphy - 3 Dolphy Groups
    • このDiscographyでは、参加したジャズメンの名前が正しいと思われるものに訂正されています。そしてそれらが6通りの盤になって世に出ているということになります。各盤にどの曲が入っているのかは煩雑になるので省略します。これだけの情報を集めるのに要された御苦労は並大抵では無かった筈で、ここに大いに敬意を表します。そしてこれに更に、上記したVenus盤の情報が加わることになります。
      • On Green Dolphin Street/ Eric Dolphy
      • Eric Dolphy, bass clarinet; McCoy Tyner, piano; Reggie Workman, bass; Mel Lewis, drums.
      • Venus (Stash原盤) TKCZ-79043, 1994発売
    • 多分、以上がこの盤の一番正確だろうと思われる情報です。そして、話はコレで終わらずにまだ先があるのですが、それはまた今度・・・(orz)

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