山本さんのトリオは、コンサート会場や当時流行っていた生録会で何度も聴きましたが、直ぐにごひいきのグループにして聴き漁ったものでした。今でも10数枚のCDを持っていて、以前ほどではないにしても結構楽しむ機会が多いのです。そのトリオのギグは、クリスマスなんで皆かなりアルコールを聞こし召しているのか、ヤンヤの拍手に奇声まで混じって聴こえてきます。その大量の生録音の中に1トラック、引用が上手く嵌まったのが印象に残る演奏がありました。それが小唄の「For Once in My Life」です。この演奏は、CDだと右掲の盤に収録されていますが、アナログ時代には「The In Crowd」盤に入っていたトラックです。この曲の動画にはあまり良いのがありませんが、ニコニコ・ビデオにTony BennettとStevie Wonderによる物凄いデュエットがあったので、ここでリンクをしておきます。コレを聴きながら先を読んでもらえたら吉です。
ピアノが(10秒目辺りから)少し手数を減らしながらデクレッシェンドして行って、クラブ内の聴衆に「何だ、何だ。何かやりそうだなぁ・・・」と耳を傾けさせたところで、ココで聴くように耳慣れたメロディを弾き始めます。・・・「うーん、コレ、何だったけ」と頭をひねって、直ぐに恐らくかなりの方が鼻歌で「Santa Claus Is Comin' to Town・・・」と口ずさんでみて、「そうかぁ、今日はクリスマスだもんなぁ・・・それをここで出すなんてニクイねぇ。」と唸ってしまいます。クラブ内のそういう感じが、拍手の数に反映しています。