(Home - 「ジャズのスパイス」 BACK)

「Autumn Leaves/ Julian Cannonball Adderley with Miles Davis」:唸らざるを得ない締め


  • 「枯葉(Autumn Leaves)」と言う名曲をエンディングの処理と言う目で見る時に、唸らざるを得ないほどに素晴らしい、と多くのファンが認めるのがこのトラックです。ここでは、契約上のリーダー表記に倣いましたが、演奏自体はマイルスが完全に仕切っています。Nelsonは、この曲がイアフォンから聴こえてくると、いつもの散歩ペースよりもちょっと速いので、直ぐ急ぎ足になって歩みのテンポを合わせます。そうしなければ失礼と感じるほどに、いわゆる「間然する所無い」演奏です。ここにこの演奏の動画がありますので、お聴きになりながらメモをお読みいただけることをお勧めします。 この演奏は約11分だから長めと言えますが、


    なかなか良いイントロで始まって約1分後、前テーマ提示は


    ミュート・トランペットです。2分頃から、Cannonball Adderley、Miles DavisそしてHank Jonesと素晴らしいアドリブが続きます。後テーマが8分頃からまたミュートで出て来て、1コーラス全部やり終えそうな感じになます。でも、そこからマイルスの手持ちコンボとは面子が違うのに、さすがヴェテランぞリオだから(用意されていたのか、ふっと思いついたのか、どっちなのか判りませんが)、ちょっとした嵌め手をキレイに決めるのはさすがです。キレイなミュートの後テーマが終わりそうになって、


    詠嘆気味にリタルダンドしていくと、それを察知したピアノが「合点、承知の助」とその気怠い感じを引き継いで自分も一頻り、「えっ、主役取っちゃうのぉ。そんなに泣きに泣いちゃってl・・・」と、長いけど味がある詠嘆を(8分半から10過ぎまで!)負けじと披露します。すると頃は良し


    御大がまたミュートで戻ってきて、「ホントの締めですよぉ・・・」とリタルダンドを続けて行って、「ンタタ、ンタァ」としつこく基底ビートを刻んでいたベースもピチカートを緩めて行って、


    全員でデクレッシェンドして一丁上がりです。結局、「目立ったのはミュートとピアノで、アルトは悪目立ち、ドラムスは居たのぉ、ベースはチャンと居たなぁ」ではありますが、本線モダンジャズの一典型であり、かつ締めの捻りは上出来だった、とNelsonは総括します。

(Home - 「ジャズのスパイス」 BACK)

アクセスカウンター