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Nelsonの「針小棒大」
- ジャズには、どこか反骨精神を刺激する面があるようで、Nelsonのように何十年かジャズを聴き続けていると、物事をどうしてもハスに見る癖が付きます。「ハスに見る」ということは、正しく見ていない訳で、客観的には話が「針小棒大」になりがちだという評価になります。早い話が、「Kind of Blue」や、「Waltz for Debby」よりも、「Power Trio/ John Hicks」や、「Live from the Showboat Lounge/ Phil Woods」等の方に高評価を与えるというような愚を犯すことがあります。ファンとしての気持ちは判らないでもないけど、それは「行き過ぎ」だろうという声が聞こえてきそうです。
- こういう偏向が、Nelsonだけのことなのか、あるいはジャズが好きな人に共通のことなのかは、さて置いても、実は趣味の世界ではこういう偏向がありがちのようです。実生活では、赤信号を無視すると事故ってしまいますから、あまり自分の好き勝手を通すことは控えるしかありません。しかし、趣味の世界は人生の余白ですから、そこで信号無視をしても、取敢えずは死を招いたりしません。趣味の範囲では好き勝手をやって発散し、実生活のストレスを解消するのは、あながちイケナイことでは無いに違いありません。本来、好き勝手なことをすることが、正に趣味なんですから。
- ジャズ的自画像では、顔に眼、鼻、口があるのは当たり前のこととして(有名盤を)省略し、眉間のシワ、無精ヒゲ等の瑣末な部品(極私的なお気に入り盤)だけに焦点を当てた、奇妙な自画像を試みてみました。趣味の世界なんですから、ありきたりの自画像ではなく、こういうヘンテコな肖像画の方が似合うだろうという狙いです。
- Nelsonの偏屈ぶりは、このサイトのそこここに露呈されていますが、「ジャズ的自画像」にそれを集約したという見方も出来ます。その偏執的なお気に入り盤を並べた真中に座っていると、4面をガラスに囲まれたガマ蛙顔負けに、アブラ汗が滴ります。「そういう自画像を前にすれば、少しは当人も反省して、正道に立ち戻ろうとするのではないか、、、」なんて考えて、、、は居りません。この歳までこの路線で来たんですから、そのまま行き着くところまで行っちゃいます。
(ではまた、ジャズ的自画像に、お戻りください。)
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