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ジャズ的自画像について
(端(はじ)パイ盤で作ったモザイク画の試み)
- この間、初対面のジャズ好きの人と話す機会がありました。その時の自己紹介で、多くある有名盤、「Kind of Blue」「Waltz for Debby」等が好きだと言っても、その人がどういう人か判りませんが、例えば「Power Trio/ John Hicks」や、「Live from the Showboat Lounge/ Phil Woods」等の端(はじ)パイ盤を挙げると、意外に一番正確な輪郭描写になるかもなぁ、と気付きました。
- つまり「自分の出自」ということですが、ジャズ関連の方と話す時に、性別、出身地などの客観的な事実ではなく、「誰も誉めないけど、ボクはこれが好きなんですョ」という盤を挙げると、「なーるほど、アンタはそういう人なのね。」とニッコリしてくれることも経験します。
- 書棚に、「トルストイ全集」や「志賀直哉選集}があったとしても、殆ど手がかりにもなりませんが、「石川淳全集」や、「大手拓次詩集」があれば、かなりの手がかりになるのと同様のことと思えます。言い換えれば、あのフォークの落ち方こそが野茂であり、あの投げ出すようにバットを振り出して撃つ三遊間ヒットこそがイチローなんだなぁ、と人は納得するのです。
- そこで、有名盤を徹底して排除し、極私的なお気に入り盤だけで作った、見ようによっては相当にいびつなリストが出来上がりました。顔に眼、鼻、口があるのは当たり前のこととして省略し、眉間のシワ、無精ヒゲ等の瑣末な部品だけに焦点を当てた自画像、というわけです。
- いずれの盤も、購入時にヘヴィー・ローテーション期があり、それ以来ウン十年の付き合いがある愛聴盤ばかりです。中には学生時代に京都シャンクレールで聴いて気に入った盤(自分の中ではシャンクレール盤(^o^)と呼んでいます)も含まれています。これらは、今も人知れず、ひそかに(^^;、月一(つきいち)で聴く盤です。端(はじ)パイ盤で作ったモザイク模様に、Nelsonの偏屈さが見事に現れていて、笑ってしまいます。皆さんも、チャンタ牌が捨てられなくて、満貫を振り込んだ憶えがおありでしょう。人それぞれに、ソコソコに変わった嗜好をお持ちな筈ですから、我と我が身を一度振り返られて、極私的なリストを作ってみられては如何でしょうか。
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