- Dat Dereは、Bobby Timmonsの作曲ですが、その前に作った「This here」が大変に評判が良くて、「モロ、2匹目の泥鰌を狙ってます」と憚りも無く、This hereの対語であるThat Thereの卑俗な発音表現として、「Dat Dere」と命名したものでしょう。発音のメンドウな「th」を「d」で代用するのは、通俗会話としての用法で、それをワザワザ使う事によって、「気の置けない、馴染みやすい曲ですよ」というメッセージになっています。彼のピアノと共通する、飛び跳ねる感じが印象的な、そしてこれもヒットしそうな曲でした。初録音は、当時の雇い主であるCannonball Adderleyの「Them Dirty Blues」盤だと思いますが、案の定、この曲も好感を持って受け入れられます。ここでは、一応、決定版としては本人のトリオ盤を上げておきます。この一年後に、「In Person」という盤でも、トリオで録音しています。これが評判となって直ぐに、親子の対話に模した歌詞を付ける人が出てきて、目ざといMel Tormeが早速「Comin' Home, Baby」盤で録音して、これもまたヒットするということがありました
- 人を惹きつける印象的なイントロのフレーズに続いて、テーマが出てきますが、どちらかというと2ビートの感じがある、でも魅力的な旋律です。しゃくった感じが中々憶えやすく、鼻歌につい出てしまうというのも、作曲の腕なんでしょう。
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