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The Smoke

  • BirdlandThe Smokeは、セントラル・パークの西北の角近く、ハーレムのうちに入るか、入らないかの、105丁目にあって、ブロードウェイに面したジャズ・クラブです。ここは、コロンビア大学が傍にあるので、まぁ、結構スノッブな方々が集まる所のようです。写真にあるように毎日ジャズをやることをウリにしています。
  • さてThe Smokeは、139丁目にあるトミーズ・ハウスから行くとすると、「Take the A Train」して、103丁目で降りて西に歩くか、地下鉄を途中で乗り換えて、1号線でブロードウェイの103丁目に行ってしまうか、それともバスを使うかとなります。その晩は、地下鉄の事故遅れなどがありましたが、やっとのことで開演前に店を見つけて、飛び込むことが出来ました。ここはこじんまりしたクラブなので、人気トリオだけに満杯でした。入って左側にバーのカウンターがあり、右側が50席くらいのテーブル席で、奥の突き当りがステージとなっていました。ステージに一番近いバーの止まり木を確保して、ヤレヤレと一息付いて、今晩は、ビールとチーズ・プレートにします。それで、肝心のギグはどうだったかというと、、、
    Harold Mabernトリオ
  • 今夜聞いたのは、前夜のじっくりと円熟味を聴かせるRichard Wyandsとは打って変わって、ブルーズの本場メンフィス生まれで、豪腕、バリバリ弾きのHarold Mabernトリオです。ドラムスが名手のJoe Farnsworth、そしてベースはJohn Webberという面子でした。
  • 定刻にギグが始まるや、ピアノのHarold Mabernが飛ばしに飛ばし、ドラムスも的確にサポートするので、実に快調です。「そぉ、これがニューヨークのジャズの醍醐味ですよ。」と頷きながら、演奏に惹きこまれて行きます。でも何か、雰囲気がちょっと違うなぁと思っていたら、ここはヤッピーに人気が高い店なんで、お客さんが皆白人です。ノリがハーレムとは違います。バラード、ボサノヴァ、ワルツ仕立て、どファンクと多様なアレンジと展開で、ホント、満腹しました。
  • 面白かったのが、Harold Mabernのベシャリで、演奏の前後に色々と思っていることを披露していました。いわく、「ジャズメンは、お互いの動きを見つつ、自分の動きを決めるから、まんざら馬鹿じゃあない」、「とにかく、バードは偉かった」、「自分のような弾き方は習うものではない。メンフィスに黒人として生まれなきゃァ、こういう風には弾けないんだ」。ジャズメンには、不言実行の人と、有言実行の人とがいますが、この人は後者というか、多言ですねぇ。
  • Joe Farnsworthのドラムスは、今のニューヨークでは「First Call」だと色んな所で言われており、かゆい所に手が届く感じです。確か手持ちでも、Harold Mabernと組んだ盤がありますから、お互い気も合うんでしょう。
  • あの偉人、Phineas Newborn直系のHarold Mabernということで、「聴いたなぁ、、、」という充足感がありました。

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