Madrugadaは、もう、ミシェルの匂いプンプンの遅めの曲で、実に綺麗なメロディであり、ボサノヴァ風に料理されている。この手の旋律が彼の得意とするところなのですが、しかしいわゆる米国のブルースとはかなり異なります。ミシェルが腕によりをかけてアドリブを始める前から、ベースが巧く絡んできます。このベースのウォーキングは、最後まで続き、付かず離れずでありながら実に聞かせる内容であり、かなりのもの。演奏自体は、後にブロックコードも入れて盛り上げたりと、7分を超える長さを感じさせずに、しかもたっぷりと料理してくれます。これに続く2曲目のMaelstromも、やはり自作です。辛口に言えば、材料としては同工の曲です。しかし料理の仕方が変って、ダブルタイムも入れたり、フォーヴァースチェンジがあったりと、楽しめます。For All We Know, Falling in Love with Love
この2曲と、もう一つエリントンのものが他人の曲です。For All We Knowは、極くおそめのペースで、じっくりと味わい尽くす感じ。やはりベースが、ピアノのシングルトーンに気持ち良さげにまつわりつきます。Richard RogersのFalling in Love with Loveは、For All We Knowよりは速めの展開で、ずっと躍動感があります。この曲の解釈は、米国黒人と言っても通じるかな、というブルースっぽい感じが実に良い。ベースソロ、フォーヴァースチェンジが入っているからかもしれません。そして、Night Blossom