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Sonny Rollins' Groovy Tracks

  • Sonny Rollinsの好演奏といえば、ごまんとありますが、無性に聴きたくなるのは以下のようなものです。
  • ここでは、盤全体としての評価ではなく、特定のトラックにおける演奏の素晴らしさに着目しています。
  • クリックすると右のフレームに盤全体のデータが出ます。そうでない場合も、できる限りDiscographical Dataが分かるようにしています。
  1. Moritat, Blue Seven, You Don't Know What Love Is, St. Thomas, Strode Road(^^;) / from 'Saxophone Colossus'(1956)
    何なんだこれは、全曲じゃないか、とおっしゃるのはごもっともですが、しかしこの盤に限って言えば、全曲がジャズの最高レベルの演奏とNelsonは言い切ってはばかりません。そりゃぁ、そうだ、と首肯されるでしょう。このように楽器を思い通りに吹き尽くし、しかも展開されるアドリブに寸分の隙も無く、更にサイドメンも最高の出来である盤は、他に例がありません。古今東西の名作です。Moritatの良さは今更繰り返す必要はないでしょう。Blue Sevenの思わず唸ってしまう曲の展開の奇抜さ、しかもゆったりとしながらも息をつかせないスリルに満ちたアドリブ。You Don't Know What Love Isにみる恋にさいなまれる男(女)心の懊脳と歓喜。St. Thomasのリズミカルなアドリブ。更に一転して、Strode Roadの緊張感を保ちながらのスィングする演奏。ローチの参加が貢献しています。どれを採っても、そんじょそこらで何時でも聴ける代物ではありません。正に、記録された音楽の真髄です。
  2. Softly as in a Morning Sunrise, Old Devil Moon / from 'A Night at the Village Vanguard'(1957)
    ベスト・トラックがSoftly as in a Morning SunriseとOld Devil Moonです。Sonny Rollinsといえば、この薄赤紫の色をかぶせたモノクロのポートレイトのこの盤です。初心者当時に、ジャケットのメンバー・リストを見てピアノなしにジャズを演奏するみたいだけど、そんなことできるのか、と当惑したのを思い出します。ジャズといえば、ピアノが入るものとしか知らなかった入門時代のことです。しかし、ジャズ喫茶で聴くと、実に緊迫感がある上に、演奏が感動的でした。後になって、ピアノが居ない方が良い、居ると窮屈になる演奏のスタイルというものがあると知りました。ともあれ、この「朝日の、、、」は実に引き込まれる演奏で、最初のベースのピチカートの導入から、何かが起こりそうな熱っぽい雰囲気が横溢しています。Old Devil Moonもなかなか良い演奏です。この盤位で、音程を持たないドラムスのブラッシュ・ワークが、それ自体で「唄う」ことが出来るんだ、ということを知りました。
  3. It's All Right with Me / from 'Worktime'(1955)
    It's All Right with Meが、少し早めのテンポで演奏される名演で、Ray Bryantの転がるようなピアノも絶好調というところ。Johnny Griffinの同曲の演奏があり、これも白熱するが、やはりスケールのでかさでロリンズには一歩譲っていると見ます。
  4. On a Slow Boat to China, With a Song in My Heart, In a Sentimental Mood / from 'Sonny Rollins and the Modern Jazz Quartet'
    On a Slow Boat to Chinaは、発表当時こんなポップスの曲をジャズで取り上げたことが話題になったと記憶します。しかし、何ともスムーズで、心置きなく、自在にスィングするこの人の魅力が最大限に出た名演でしょう。この盤では、MJQとの演奏と、Kenny Drewとの演奏が纏められています。With a Song in My HeartとIn a Sentimental Moodは昔から良く演奏されるバラードの名曲で、それがロリンズによって新しい息吹を吹き込まれています。それを造語で「Thematic Improvisation」と批評家が名付けました。訳せば、テーマを良く取り入れたアドリブ、ということになり、そんなの当り前ということだが、それほどに原曲の曲想が息づいたアドリブということでしょう。
  5. What's My Name / from 'Brass and Trio'(1958)
    What's My Nameも隠遁前の、無心に吹いていた頃の名演です。何と言うことはない原曲だが、それを心行くまで、気持ち良さそうに吹いており、聞いているこっちまでが、「そうなんだよなぁ、、、」と肯いてしまう自然さは、この人ならではの世界でしょう。
  6. Alfie's Theme / from 'Alfie'(1966)
    Alfie's Themeは、インパルスに入れた映画音楽の中の主題歌で、恐らくジャズ・ファン以外の人にロリンズの演奏としてはもっともよく知られた名演です。吹っ切れた、豪快なアドリブが余人には真似の出来ない高みにある気がします。
  7. Just in Time, Toot, Toot, Tootsie, Cutie / from 'The Sound of Sonny'(1957)
    Just in Timeが快調な演奏で、ストップ・タイムの展開が面白い。ロリンズがSonny Clarkと組んで、いわゆる「小唄」といわれる類の曲ばかりを、本当に楽しみながら演奏したんだろうなぁと感じさせる、構えない気分で演奏した盤です。Toot, Toot, Tootsieは、プッ、プッ、プーという擬音英語です。
  8. The Way You Look Tonight, I want to Be Happy / from 'Thelonious Monk And Sonny Rollins'(1954)
    「今宵の君」The Way You Look Tonightが素晴らしい。ロリンズがモンクと共演した時の盤の中でも、若干異色の快調な演奏でしょう。

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