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Chet Baker's Groovy Tracks

  • Chet Bakerの好演奏といえば、トランペット吹奏とヴォーカルの両方があります。暫く聴かないと、無性に聴いてみたくなる演奏は、以下のようなものです。
  • ここでは、盤全体としての評価ではなく、特定のトラックにおける演奏の素晴らしさに着目しています。
  • クリックすると右のフレームに盤全体のデータが出ます。そうでない場合も、できる限りDiscographical Dataが分かるようにしています。
  1. My Funny Valentine, But not for Me / from 'Sings'(1954)
    Chet Bakerといえば、基本はこの「Sings」という盤のトランペット及びヴォーカルです。人気トラックは、My Funny Valentineと But not for Me位でしょうか。楽器の方は、この盤ではそれほど元気一杯の吹奏ではなく、曲に合わせた落ち着き気味のアドリブに終始します。ヴォーカルは、これは何と言ったら良いのか、男性ヴォーカルとしては柔らか目で、シャウトは決してせず、まぁ「もの憂げ」という良く使われる表現辺りが適切なんでしょう。Nelsonは一聴気に入りましたが、中には「背筋が落ち着かない」と嫌悪感を表明する人が希にいます。それがこの人を聴きつづけるか否かの分岐点なのでしょう。イヤなものを無理して聴く必要はありません。
  2. Autumn Leaves / from 'She Was Too Good To Me'(1974)
    Chet Bakerが、CTIの路線に乗って出した盤の中でも、この「She Was Too Good To Me」の中の「枯葉」はもっとも人気のある演奏です。彼らしい、吹き過ぎでないオープン・トランペットのアドリブが素晴らしい。念のため言っておくと、この演奏の細部を注意して聞くと、そこここで各楽器が結構高度なジャズの動きをしていることに気付かれるでしょう。これはCTIの特徴で、サイドメンが驚異的にスゴイ人ばかりで、イージーリスニングの手間賃仕事としてではなく、多くの人が喜ぶ聴きやすい音楽に仕上げるために、精一杯のジャズを演奏しているからなのです。
  3. Line for Lyons, Bernie's Tune / from 'Carnegie Hall Concert'(1974)
    Chet BakerとGerry Mulliganのコンビは歴史があるのですが、これは再会セッションです。ここでのLine for LyonsやBernie's Tuneの演奏は実に上質で、さすがにエライ、と感じます。ジャズ的にはそうであっても、ファンなら3 My Funny Valentineの方が良い、とおっしゃるでしょうし、それに全く異論はありません。
  4. Dear Old Stockholm / from 'The Stockholm Concert'(1983)
    Chet BakerとStan Getzの北欧における共演のライヴ盤で、聴衆が聴きたがるご当地民謡のDear Old Stockholmが演奏されたが、ここではStan Getzは控えに回っています。アドリブのほとんどがChet Bakerに割り当てられており、ペーソスに満ちたオープン・トランペットの名演を聞かせてくれます。こういうトランペットは、比較的共通点のあるArt Farmerや、Kenny Dorhamでも無理な、この人独自の世界です。
  5. Lullaby of Leaves / from 'The Complete Pacific Jazz Recordings of Gerry Mulligan Quartet with Chet Baker'(1952)
    Chet BakerとGerry Mulliganのコンビで始められたピアノレス・カルテットの演奏では、この「木の葉の子守り歌(Lullaby of Leaves)」などは、聞きごたえがあります。これは、この4枚組でなくても単発盤があるので、それがあれば十分。

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