Roland Kirk「I,Eye,Aye」がトップに来るという時点で、つぐさんのジャズ狂いがホンモノだと判ります。これは、人気のある、しかも良い盤ですね。ライブでなければ「変なジャズ」と思う方がいらっしゃったとしても、このライブの会場の盛り上がりを聴くと、「ここまで聞く人を熱くさせる、この怪人はホントにかけがえのないジャズメンだ」と納得されることでしょう。Nelsonも、Tete Montoliuと共演したKirk in CopenhagenのCabin in the Skyで、この人を初めて認識し、次にWynton KellyとのDominoでノックアウトされ、The Inflated Tearで不覚の涙を落とし、という遍歴です。この人の作品は、2チャンでも最近「殆どの作品が復刻されている」という指摘があったように、近年真価が理解されて聴きやすい環境になっているのは、嬉しいことです。
Sonny Rollins「In Japan」は、増尾さんの入った中野サンプラザでのライブ盤ですよね。この頃から、ロリンズは落ち着きを見せ始めて、再び自分のペースを取り戻しています。増尾さんのサイトにお邪魔して、この頃の演奏で記憶に残っているThree Little WordsがCDになっているか聞いたことがありますが、どうも放送音源だったようで「覚えが無いなぁ」ということでした。兎に角結構この二人の相性は良かったようで、暫く一緒にやっていました。増尾さんのギターが良くって、結構この頃の演奏は大事にしています。
Ella Fitzgerald「Ella in Berlin」は、今確認したらデータベースに入っていませんね。こりゃぁ、マズイ。この盤は、一時擦り切れるくらい聴いたんですが、見落としのようです。
Kenny Dorham「'Round about Midnight at the Cafe Bohemia」も、良い盤です。Montroseも居るし、Burrellも居るし、こういうバンドをもう少し息長く続けて欲しかったです。
Charlie Haden Liberation Music Orchestra「The Montreal Tapes」は、ジャズ喫茶では聴いても、自分では持っていなかった盤です。
Brad Mehldau「Art of the Trio 4 : Back at the Vanguard」は、99年のライブで、最初にAll the Things You Areが始まると、ちょっとKeith Jarrettかなと感じさせますが、その後はやはりこの人らしい締まった、ちょっと辛口のピアノで大いに楽しめる盤ですね。熱しているようで居て、結構良く自分を見つめている感じのあるSolarが好きです。でも、あのエンディングが実に面白くって、いつもニヤリとします。緑のジャケットも中々良いです。
Keith Jarrett「The Koln Concert」は、ピアノとの痴戯とも言える盤かもしれませんが、この人にしかないロックの要素もあり、人気の高い盤です。痴戯といえば、友人が新しくオンナができると必ず聞かせていましたが、どういうもんですかねぇ。一種トチ狂う所がある演奏なので、そういう意味ではそっち方面の首尾は良いのかも知れません。これがDIP'sの最後に来ると、何か「上がり」と言う印象が強くなりますな。