妙なツッコミは止めてくれぃ
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レコード漁りは、手間暇をかければかけるだけ、実入りが多いものです。中でも、時間をどれだけかけられるか、は大事です。その理由は、下に書いたようなこともあるからです。ヒマを作って、セッセと通って店の隅々までチェックするのが一番のようです。
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ジャズの中古屋さんは、大抵は個人での商売ですし、チェーン店といっても事情通は一握りで、店番までが物知りということを期待してはなりません。大手新譜店のように、在庫を始終チェックして、伸び盛りの新人が出てくれば新しい仕切り板を直ぐに作って、マメに整理に努めるなんて事も期待し過ぎです。人手に限度がありますから、分類も完璧は期待できません。なのに、それをまた乱す不埒者がいるのです。
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棚を漁って、眼に止まったものを取り出して、ためつすがめつ眺めた上で買わないことに決める。これは結構あることです。しかし、あろうことか、元に戻さずに、関係の無いところに適当にグニュグニュと突っ込む奴が結構いるようです。アナログなら、先ず並んだ盤の間を開いて、ジャケットを見ない限り何のレコードかは判りません。CDでも、背文字だけではなかなか内容までは判断できかねます。妙なところに入ったら、それを探している人の目には二度と入らない可能性があります。店主の分類配置の苦労も、これでは水の泡です。「出したものは元に戻す」のが、マナーです。それぞれの店の事情に合わせて、それなりの分類を丁寧にしてあるというのに、、、ケシカランことです。
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あるいは、こんなことかも知れません。「良いのが見つかったけど手持ちが足りないなぁ。キープしておきたいなぁ。でも、この店はめったにこないし、オヤジは恐い顔してるから「ウチは、取り置きはしません。早い者勝ちです」なんてソックリ返りそうだなぁ。困ったなぁ。次に来る時まで、人目に付かないようにしとこう。」とズルを決めこんで、適当にグニュグニュ、となる場合も考えられます。色んなケースがありえるでしょう。
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こういうことをされると、時間の無い人は困ります。時間が無い人とは、さっと入ってきて、さっとチェックして、直ぐに店を出て、「私用の寄り道したけど、これで次のアポに間に合っちゃったよなぁ。ラッキィだったよなぁ」という人などです。時間があって、「ヨーッシ、今日は全数チェック行くもんねぇ。」という場合は、配列が乱雑でも良いんですがネ。ヒョッとして、といつもはそこまで見ないビッグバンドなんて項目まで、チェックしたりする暇もありますから、、、
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実は、全分野を取り扱うチェーン店でもこれと似たことがあります。新人店員に店長が、コレを陳列しといて、といって任せちゃう。そうすると、内容なんかに興味ありませんから、イニシャルや、楽器名を頼りにポンポン棚に放りこんじゃう。そうすると、妙なツッコミを店自身がやってる状態になります。後で、新譜の入荷を見に来た客に、さっと品物が出せないので、店長がイライラすることになるわけです。そう言えば、恐そうなオジサン店主が、今しがた出ていった客の触った棚をサーっとチェックしているのを見かけます。棚を、絶えずしっかりとした状態においておくことが大事と判っている店です。オレの出ていった後も、ああやって配列を直してるんだろうなぁ、とプレッシャーがかかります。まぁ、そうしていてくれる店は、実は良い店なんですがね、、、
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先日も、例によって時間を作ってエサ箱を漁っていると、ベースの棚に、テナーの新人のElias Haslangerのライヴ盤「For the Moment」が入っていました。「何じゃコリャ」と思いながらも、この人のどんな盤なんだろうか、とメンバー、曲目をチェックしました。それなりに聴けそうな内容だったので、当然、買ってしまいました。家に帰って聞いてみましたが、結果オーライです。しかし、「これは良いことなのか、悪いことなのか、どっちなんだろう」と考えてしまいました。話題の新人の好演盤だから、所定のところに入っていれば、誰かがNelsonよりも先にかっ攫(さら)ってしまっていたでしょう。Nelsonが手に入れることができたのは、妙なところに「突っ込んで」あった、という幸運ゆえです。このように、はぐれ盤には時に珍盤が紛れています。
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その意味では、上記Elias Haslangerの件は、「妙なツッコミで良かった」わけです。となると、拙文のタイトルの趣旨と違ってきちゃったなぁ。まっ、良いか。世の中、そんなもんだ(^^; 「レコード漁りは、手間暇をかけましょう。」、という話にしてしまいましょう。とすると、この呟きのタイトルは、「妙なツッコミに負けるな」、の方が良いのかな。
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