けものみち、かな
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レコード漁りは、やればやるほど、聞けば聞くほど底の深いものですが、新発売の良さそうな盤や、掘り出し物の中古盤を聞いたら素晴らしかったという時の喜びに、初心者とベテランの違いはありません。手近の店を贔屓にする程度の入り口から、オークション参加や自分で遂に店を開いちゃう所まで、人それぞれの趣味の姿があります。Nelsonは、未だ店廻りの初期の段階にあり、オリジナル盤漁りとかオークション参入の段階にまでは、幸運なことに(^^; はまりこんでいません。まぁ、趣味はそれぞれの段階に、それなりの面白さがある、としておきましょう。
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レコード収集においては、新譜店巡りと、雑誌情報のチェックは欠かしてはいけません。しかし、新譜店は当然ながら売れ線中心の品ぞろえであり、古いもの、廃盤・珍盤などは探しにくいものです。これらが欲しくなれば、どうしても中古も視野に入れて、ということになります。中古は、何かの事情で買いはぐれたものに出会えたり、値段が安かったりするのも利点です。
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ジャズが生きているということが実感できるのは嬉しいもので、ライヴもそうですが、新発売の話題盤を押っ取り刀で入手し、聴いたら結構良かった場合などは、特にそれが新録音物であれば楽しくなります。コイツ、ちょっと贔屓にしてやろうかな、という気になります。旧録音でも、待ち望んでいたものであれば、ホントに評判通りなのか、興味津々というところでしょう。米国、日本に限らず、欧州でもメインストリームものの復刻は着実に進んでいますし、ラジオ音源がCD化される傾向も進んでいますから、気が抜けません。近頃は、店の品揃えもかなり濃いものになっていますから、入荷数も多くないものでも店頭に並び、買いそびれると何箇月も再入荷なし、あるいは金輪際再発なし、ということもありますから、暇を見付けては覗く、これが鉄則です。
- Nelsonは、中古を売る店の乱雑さ(失礼)は気にしないどころか、むしろその店主のマニアックさ等に惹かれます。つまり、店主もある意味で収集家なのです。志ん生の「火焔太鼓」ではありませんが、売りたそうでない店主の対応に出くわすこともあります。情報が発売元から得られる新譜と違って、中古では店主の商品知識、意欲が大きく物を言います。
- 1日に10店くらい回って、小拾万円も買い込むようなことになれば、昼食に寄ったラーメン店で湯麺を待ちながら、「ひょっとしてこれは異常なことでないか、さっきの店で会った人があそこで麺をすすっているけど、次の店でも会うとしたら、これはけものみちのようなものを辿っているということか」、等と感じることがあります。
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