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2019年1月某日:極寒の地に舞う丹頂鶴に会いに北海道へ、またまた一人旅 (2):風雪吹きすさぶ北オホーツク海岸の後は、小樽、函館、札幌とウマイもん食べ歩きの合間に・・・
  • ・・・帯広輓曵(バンエイ)競馬、釧路湿原丹頂鶴給餌場、風雪吹きすさぶ北オホーツク海岸とみて来た後の話です。
  • 新築早々のホテルで快眠を貪った明くる日、小樽から函館へのJRは、札幌・苫小牧経由の方が本数も多く、速いのですが、次の日に今度は札幌に戻る時にもこの路線を使います。乗り鉄でないNelsonでなくても、「2回乗るのはツマラナイ」ので、倶知安、ニセコ経由で長万部に出る鈍行に乗って、違う景色を楽しむことにしました。この路線はニセコを通るので、聞きしに勝る外人ウジャウジャ路線化していて、駅などの注意書きにも中国語が目立ちました。室蘭本線で人身事故があったらしく長万部での乗り換えが2時間ほど待たされたんですが、その空き時間を使って駅周りで横殴りに吹きすさぶ風雪の景色と束の間の地吹雪を味わいました。車道以外は除雪していない中をさ迷っていると、風雪の彼方に地元スーパーが見えて来て、そこに転げ込んで少し暖を取って、雪の北海道気分に浸りました。
  • 夕刻に着いた函館では、人身事故による遅延のせいで、湾内に係留されている摩周丸の展示館には行けず、チェックイン後に直ぐ函館ラーメンを食ってから、辺りの盛り場を漫歩した後、松風町にあるジャズ喫茶「リーフ」に潜り込みました。その晩は、気分を変えてグレンフィディックを2杯啜りました。仲々に居心地の良い店で、入った時にかかっていたRichie BeirachのCDが終わると、SPの傍で頻りに葉っぱ(これもリーフだけど、関係あるのかな?)を手巻きしていたマスターがやおら立ち上がって、球のフォノイコに灯を入れて、サラ・ヴォーンのヴォーカルを聴かせてくれました。ここのSPは、15インチのウーファーをバックロードで使い、上はホーンで、という強面の設えなのに蚊の鳴くような音量で鳴らす方針なようですが、それでも演奏の隅々までが隈なく聴こえる(気がする)という手品を使っていました。流石に看板アンプらしき球イコの出番なんだから、家鳴り鳴動せんばかりに音量を上げるのかな、と期待したのに、ほぼ前と同じ音量です。しかしそれが・・・サラの口の中での舌の動きが判るような、微細な鳴り分けで小編成の全体が見通せる音の仕上がりで、これには脱帽しました。ジャズ喫茶って言っても、必ずしもベイシーに負けないぞとばかりにガンガン鳴らしまくる路線ではなく、こういう風に勘所を押さえて必要にして充分に歌唱を楽しめるように3ウエィSPを聴かせる路線てのも、これはこれで絵になるなぁ、と感服した次第です。良い気分になってほろ酔いの足元に気を付けながら雪道を戻って行って、新規開店とかで半額大サービスになっていたアパの温かいベッドに潜り込んだのでした。
  • 翌朝も相変わらず雪は降りしきっていましたが、お約束通りに函館朝市「きくよ」で3色海鮮丼とやらを食って、少し運河を見て歩いた後は一路、札幌へと向かいました。雪の降りは昨晩から収まらなかったようで、乗るべき特急は車両に不具合ありで代替車両を待つ羽目に会いました。かてて加えて、苦労して押さえた指定席を全部キャンセルする運用になったのは参りました。強い風雪渦巻くホームに早めに出て、うまく居心地の良さそうな席を確保したとホッとしたら、隣のリーマンさんが「これが、JR北海道なんだよねぇ。」とこぼしていました。あっという間に札幌に着いて、先ずは札幌ラーメン。それから、現役時代に講演料代わりに貰っていた商品券をこの時とばかりに使い倒そうと、ダイマルと丸井今井で土産品を少し見繕い、翌日の新千歳でも同様にしたので、勇名高き帯広の白サラミや、興部のハム等々で、ザックをハチ切れんばかりに膨らませてしまったのでした。
  • 札幌でのジャズは、ススキノ「ジャマイカ」のJBLパラゴンを聴いただけに終わりました。お昼のオバサマと、夜のお嬢様との丁度代り目に居たので、噂に聞くオバサマの凝った選曲が楽しめました。猟盤の方は、ご覧のように人っ子ひとり歩いていなくて、しかも右も左も判らない雪の街なので不首尾でした。繁華街にあるグル−ヴィーとかいった手近な店でも、雪の中を探し出す気が失せて、狸小路なんかのアーケード下をそぞろ歩いただけに終わりました。雪まつりの準備が盛期にある中でも雪は降り積もる訳で、関東住まいのNelsonはだらしなくも、雪中猟盤に挑む意欲が無くなったわけで、確か中島公園近くにある「Disk Evans」というBill Evansのアナログ盤ならココというお店に足を伸ばすなんて元気を奮い立たせることも叶いませんでした。
  • こうして帰宅してみれば、前半の野外活動時は晴天に恵まれ、後半のB級グルメとジャズ喫茶は降雪の中での行動になりましたが、総じて言えば天候には恵まれていました。心配した往復のフライトも定刻通りの発着で、キャンセルの憂き目には会わずに済みました・・・てなことで、猟盤絡みの話が一つも無い「猟盤日録」は初めてでした(orz

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