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2017年5月某日:モントルイユ蚤の市編(1)


(モントルイユの蚤の市。規模は大きいけど殆どが古着だから、そッち方面の方に向いた市です)

  • パリには蚤の市が沢山ありますし、日頃はマルシェ(朝市)だけなのに月一回くらいは週末に蚤の市が加わるなんてのもあります。クリニャンクールのが有名ですが、そこまで行かなくても、ホテルの近くを調べると結構あるものです。Nelonなんかの泊まったアパートでも、歩ける範囲に2つも蚤の市がありました。
    蚤の市は中古屋とはまた一味違っていて・・・
  • 猟盤という視点で見ると、いわゆる専門の中古屋は当然在庫が豊富で、商品知識もあります。どこの国にも相場観と言うのがあって、まぁ、安くても5ドルくらいはしますし、コレはと言う盤は100ドルなんて値付けで、壁に、それも貴重なのだと店の出入り口傍ではなく、レジ傍の壁に誇らしげに飾ってあるものです。一方、蚤の市ではCDやLPは端パイであるせいもあるんでしょうか、5ドルなんて値付けは米国くらいで、例えば今回のパリ市内の蚤の市では、1,2ユーロ程度の値付けです。蚤の市の店主だって、ある程度の音楽知識はあり、オヤッと思うようなものは中古屋に回しますから、地べたに転がった段ボールに押し込まれたものには、殆どその手の値打ち物はありません・・・というか、蚤の市全体のコンセプトが「安かろう、悪かろう」の中から、ウマく行ったら掘り出し物に出食わして、その日の昼飯の話のタネになるか、ならないかというものなんです。奇跡なんかそうあるわけではないから、奇跡というんですから・・・
    テントの端の段ボール箱に・・・
  • 先ず第一に、ジャズ盤なんてそんなに出ていません。蚤の市では、そういう音楽関係のものは、本屋の片手間仕事が多く、古着や金物などの店が並ぶ中で、本が積んであれば気を付けて周りを見る・・・と言う心得が必要です。本があって、ポスターや絵葉書があって・・・と言う感じの店の端の方に、破れかけの段ボール箱に入ったLPやCDが見つかると・・・カミさんを先に行かせて、自分はやおらしゃがみ込んで・・・となるのです。

    モントルイユには専門の駅があって・・・
  • 例えばモントルイユの蚤の市ですが、コレはメトロの「Pote de Montreuil」と言う、まんまの名前が付いた駅から、数百米歩いた高速沿いの細長い空き地にありました。古着店が2、300並んでいる中に、お目当ての本というか、LP、CD関係が置いてあるのが3,4店という感じでした。当然ながら売れるものしか置いてないから、殆どがポップスかロックであり、ジャズなんて言ってもスィング、ディキシーが多く、本線のダンモなんて滅多にありません。それでも、盲亀の浮木、優曇華の・・・ということもある訳で、手を薄黒くなるまで汚して見つけたのがコレです。
    1. The Best of Eddie Lockjaw Davis (Pablo PACD-2405-414)>
      何枚かジャズ盤があった中で、折角の蚤の市なんですから一枚くらいは話のタネにと言うことで保護する気になったのが、このコンピ盤です。食指が動いたのは、前半5曲がTommy Flanaganトリオが付き合ったセッションで、帰国後調べたら「Straight Ahead」と言う盤で、1976年のスタジオ録音モノです。後半の4曲は1977年のMontreuxジャズフェスでのライブ録音で、Ray Brown入りのOscar Petersonトリオの演奏でした。ワン・ホーンばかりでしたので、ヒッチャキになって吹き散らす演奏は少なく、じっくりと寛いだ噴きっぷりで楽しめました。それ程外装も汚れていず、音飛びなど全くないので、値付けは2ユーロという捨て値でした。
      (パブロのコンピ盤を見付けて・・・)

  • ・・・ということで、猟盤と言うほどではありませんが、パリ市内の蚤の市にもジャズ盤が並んでいる様子を無事に確認できました。その日は寒い日で、あらかた回って、上記の一枚を記念に買って、帰り際に所々にあるコーヒーの屋台の一軒でドーナツとエスプレッソを買いました。市の賑わいの邪魔にならないようにちょっと通り道の端に寄って、全体の様子を打ち眺めながら、熱いコーヒーで体を温めました。

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