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2017年5月某日:中古CDチェーン「O'CD]のバスティーユ店に出食わしたので・・・


(ムール貝のチェーン店で、パリ市内に数店あります)

  • パリのアパートについてチェックイン等を済ませ、取り敢えず明朝から直ぐに必要になる珈琲、バター、ジャムなどの食料品を傍のスーパーで買ってきて、寝ました。翌日は、土曜だったんで少し周りの探検をして、昼飯はバスティーユで何か食うことにしました。フランスからオランダ辺りの沿岸はムール貝の養殖が盛んで良く食べられています。シジミのような際立った効能があるとは聞きませんが、味に独特のコクがあるこの貝を定番のバケツ食いで供してくれる店を見付けました。でも、スタッフが腕時計を指さしながら「ランチを出すのは正午で、それまでには少し時間があるから、散歩でもして来てくれ。」と言うジェスチュアをしています。もうムール貝を食う気満々になっているので、言われた通りに散歩をして時間を潰しました。すると日本にも出店がある「ルノートル」があったので冷やかしたりしていると、何だか「・・・らしき外観の店」にブチ当たりました。

    (バスティーユ広場傍の「ルノートル」の隣に中古CD屋さんがあった。)

    中古チェーンのバスティーユ支店

  • (まぁ、どこの国でもこの程度の薄汚れた佇まいに変りはありませんが、その店内は猟盤マニアの天国です。)

    看板を見ると「O'CD」と表示されています。これは、「滞在中に一度は顔を出して置かなきゃぁ・・・」と思っていた、パリ市内の中古CDチェーンの名前です。サンジェルマンにあるんだと思っていたら、ここはバスティーユ・・・というかサンタントワーヌ通りですから、若者の街、マレの南の外れとも言える位置です。カミさんが、「初日から大変だねぇ・・・」と冷やかしますが、こっちにしてみれば「縁起が良い」と言うのか、「出だしが大事」と言うのか、やはり素通りは失礼なので、冷たい視線を尻目に店内に入ってみました。ダァッーとエサ箱が並んでいて、世界共通の中古屋D店の雰囲気でした。
    ジャズはどこかなぁ・・・
  • ココに限らず、日本を除く殆どの国での現象ですが、今時のショップではLPやCDの類は邪魔者扱いです。と言ってもBDがある訳ではなく、DVDがずらっと並んでいて、無論その大部分は女性美を讃える分野(^^;のものであります。「O'CD」は、名前に「CD」とあるから2,30年前からのチェーンなのでしょうが、展示商品の大半はDVDです。それでも「何か無いかなぁ・・・」と探すと、ジャズのCDが6箱ありまして、それをゴソゴソやって見付けた数点の中から、下記のものを保護しました。
    パリでの出だしや如何に・・・
    • James Carter : Live at Baker's Keyboard Lounge (Warner 48449、紙ジャケ)
      コレはごひいきの若手のライブ盤で、一度都内の店頭で見かけていたけど、保護していなかった盤です。「パリで出会ったのも、何かの縁だ。」と思って、迷わずに保護。帰国して聴いてみたら、イヤァ、良い出来です。いつも通りの剛音、美音、怪音で吹きまくっています。彼だけでなく、Dave Liebman、Johnny Griffin等がテナーサックスで彼に絡むものですから、息つく暇もありません。ライブだから10分弱のチョイ長めの演奏ばかりです。収録された8トラックは、「Tricotism」、「Freedom Jazz Dance」、「I can't Get Started」等と聴き慣れた曲が続きますが、何しろソロがボベッ、ボギャッ、キュルルゥ・・・ですから、痛快なこと、この上ありません。「これで9ユーロは、安かったなぁ・・・」と思って調べてみたら、既に国内盤が、それも千円モノで出ていました(WPCR27961)。兎に角、満腹になること保証付きの熱演ばかりで、文句なしのお買い物だと思います。
      (余談ですが、このOscar Pettiford作曲になる「Tricotism」と言う曲は、初心の頃から「r」入りの「Tricrotism」と覚えてしまっていて、「Tricotism」と表記されていると居心地が良くありません。最初に聴いたのは、京都シャンクレールと言うジャズ喫茶で・・・ですからもう50年も前になります。聴いたのはOscar Peterson 3のヴァージョンで、速弾きのベースはRay Brownですが、良いトラックだったので直ぐに曲名を覚えてしまったのです。どっちが正しいのか御存じの方はおられませんでしょうか。)



      (O'CDのバスティーユ店で保護した物件)

    • Lee Morgan : Both/ And Club, San Francisco, June 1970 (Hi-Hat HH2CD004, 2CD's)
      例の名盤の誉れ高い「Lighthouse at the Hermosa Beach」と同じ面子で、その一月前にやはり西海岸でやった時のライブ盤です。2枚組で13ユーロだったので迷わずに保護したら、同じくこれも似た値付けで国内盤が出ていました。この時期のBennie Maupin(ts)、Harold Mabern(p)、Jymie Merritt(b)、Mickey Roker(ds)と言う面子はよほど気が合っていたのか、モード色濃厚な当時の最先端の演奏様式を前面に打ち出した良いジャズをやっていて、ジャズ喫茶でも良くかかっていましたね。

    猟盤もしたし、ムール貝も食べたし・・・と幸先が良い出だし
  • パリ初の猟盤を終えて、先刻のムール貝屋に立ち戻ると頃合いも良く、薄塩で茹でたバケツ一杯のムール貝は、フリット(牛脂で2度揚げするフライド・ポテト)と共に、スルッと腹に収まったことは言うまでもありません。友人二人も丁度パリに来ていたので、再度この店に4人で集まりましたが、兎に角飲んで、喰って一人分30ユーロで済むんですからお財布に優しい店です。

    (バケツ一杯のムール貝を食べては、写真手前の黒いボウルに放り込んで、さてまたムール貝を・・・と至福の時を過ごすのには20ユーロ必要)


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