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2014年某月某日:リスボンで猟盤三昧(6)

    「泥棒市」
  • リスボン市の南、テージョ河沿いにある「サンタ・クララ広場」にある「泥棒市」で、帰国前の朝を過ごして何も買わずに帰るよりは、何か目についた盤を買って帰る方が良いと決めて、オール・ジャンルの盤が並べてあって、ジャズが一番沢山あった屋台で保護したのは、以下の7枚です。全部小汚いままで並んでいて、中のCDも汚れていて、均一の5ユーロでした。こういうところで買う中古は、日本のショップのように検盤後に磨いてから展示・・・なんて手間をかけていないので、キレイ好きな方は敬遠されるでしょうね(^^;
    1. Roy Brooks:Duet in Detroit (ENJA ENJ-7067)
      渋めの打楽器奏者であるRoy Brooksが、Randy Weston、Woody Shaw、Don Pullen、Geri Allen等とやったデュエットで、1983年から1989年頃までの様々な機会に録音したものをまとめて、1993年に出ている。デトロイト生まれらしいロイは、まぁ、ヴェテランのドラマーといった立ち位置の人で、Ben Riley等とも通じる役割がある。米国にはこういう人で結構深いジャズをやる人が多く、相手に選んだ人を見ればそれが想像できる。Elvin Jones、Tony Williams、Shelly Manne等と言ったトップの人がやるデュエットと違ってキトキト感はなく、派手さもないけど、しみじみできます。ハーレムでジャズを聴いた時でよく出会ったような、ケのジャズで、日常感があります。
    2. Jed Levy: Sleight of Hand (SteepleChase SCCD-31383)
      標題は「目くらましの早業」と訳すのでしょうが、良くも悪くもというニュアンスがあります。この人は余り名前を聞かないテナー奏者ですが、粘りっ気のある音群がほとばしり出て来ます。準リーダーのピアノが、Nelson御ひいきのGeorge Colliganで、いや、いつも通りに快調ですね。加えて、ベースがRon McLureと書いてあるので、迷わず保護。殆どがオリジナル曲で、この盤も地味な仕上がりながら、ジャズっぽい演奏です。
    3. Billy Childs: I've Known Rivers (GRP/ Stretch GRS-00142)
      「あぁ、コレはこの間、間違ってウニオンに売っちゃったんだよなぁ・・・」と気付いて買い戻したCDです。全部オリジナルで、この人のきれいな音の流れが良かったなぁ・・・と思い直して保護。
    4. Archie Shepp:Blase (Giants of Jazz CD53375)
      同じ1969年の夏に、パリで録音されたPan Africanジャズ祭のライブ録音と一緒にしたCDが出回っているが、その片方だけの「倦怠」と題されたCDです。この時期に共演が多かったLester Bowie、Dave Burrell、Malachi Favors、Philly Joe Jones等に加えて、ハーモニカやヴォイスも入った演奏。如何にもこの年代らしいフリーでありながら、人懐っこいアーシーさで迫るというスタイルです。こんなのを聴いてると、1970年代頃のジャズ喫茶の記憶が、脳裏に彷彿として来ます。真夏の昼間のジャズ喫茶は閑散としていて、マスターはそれが気に入らないのか、こんなフリー・ジャズを大音響で鳴らしていましたネ。それを聴いているNelsonは・・・と言えば、キンキンに冷え切った柱に体をもたせ掛けながら、目を閉じたまま微動だにしません。さっきから、サックスとドラムスがデュオで絡み合う凶暴な音を浴び続けているので、もう意識がモウロウとしたっキリです。このCDのSheppは、もう、トレーンの呪縛から逃れて、自分のジャズをしっかりとやることに専念していて、独特のテナーの音出しには痺れてしまいます。
    5. Phil Woods: Orbis Fabbri (Jazz Time JT006)
      1955、1970、1988年の録音7トラック、約60分分を何の考えもなく纏めて求めてみましたという、無定見とも思えるCD・・・と言った所が正しい評価なんでしょうが、好きなジャズメンの演奏ですから、何をやっていても良いのです。
    6. Oscar BrownとCharlie HadenのCDは、たまたま手が触れたので買っちゃったので、特に意味は無し。当然ダブりなんで、車ででも聴きますか。

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