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「「The Complete Pacific Jazz Recordings of The Gerry Mulligan Quartet with Chet Baker」4枚組セット
  • ジャズと言えば、フロントに管楽器がいて、それをピアノトリオがバックアップすると言うスタイルが多いのですが、Nelsonのような聴き專でもそうですが、実際に演奏する立場から見ても、ピアノが居ると、妙に演奏がこじんまりと纏まり過ぎて物足りないことがあります。それに我慢できないジャズメンは、この例のGerry Mulliganのようにピアノレスのバンドを組んで、ピアノがいないジャズの楽しさを教えてくれます。今回取り上げたのは、そのGerry MulliganがChet Bakerを相方にして組んだカルテットで、人気を博した演奏群を完全版として集大成したものです。
  • この完全版には、40ページもある取説(^o^)が付属していて、1953年から57年に至る録音時期のジャズ界の様子、この特異なピアノレスカルテットに対する斯界の反応等が、写真を交えながら詳しく説明してあります。制作は、殆どがレーベルの持ち主であるDick Bockが担当しており、Pacific Jazzというレーベルとしても、このピアノレスの試みを支援していたことが窺われます。この時代の演奏は、簡にして要を得た短めのものが多く、恐らくはSPあるいはEPとしての販売を主眼にしていたのでしょう。
  • Gerry Mulliganという、他流試合好みの、出会いを大事にする気鋭のジャズメンが、ポップな意味でも人気があったChet Bakerの、実は結構懐が深い才能を見抜いて、このピアノレスでの相方に選んだのは、さすがに人を見る目があったことを感じさせます。全4枚のCDに80トラック以上もの演奏を収録していて、通聴には軽く半日を要しますが、「なるほど、これがピアノレス・ジャズの心地良い緊張感か。」と納得させられることは保証つきです。

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