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元レーベルが出したボックス物
  • この「ボックス物って、、、」のセクションでは、廉価版のボックス物を採り上げて、企画の狙い、中身、楽しみ方などを色々とメモしていきます。話題の中心となる「廉価版ボックス物」でよく見かけるのは、原盤を多様な視点から編集した「他社からのボックス物」です。しかし、世の中には当然のことながら、元レーベル(原録音を制作・発売したレーベル)が売り出すボックスも多数あります。それらのボックスの狙いは、廉価版というような価格にあるのではなく、マスター・テープ倉庫に保管された貴重なコレクションを原制作者の立場から見直して、既発売の盤を中心に据えたり、あるいは丸っきりの未発売の録音物を集めたりしたボックス物があります。
    既発売の盤を中心に据えたボックス物
  • 元レーベルでかなりの数の盤を出している、つまり専属期間が長いジャズメンについて、一定の視点から既発売録音を整理し直して、数枚の盤にまとめ上げてボックスに放り込む企画は結構あります。「他社からのボックス物」と違って、すべての録音についてしかるべき権利を有する大元の会社ですから、権利関係のゴタゴタは皆無です。原録音時のスタジオにおけるこぼれ話のメモなども保存されている場合が多いですから、丸っきりの他社が「群盲、象を撫ぜる」ような見当違いが入り込む隙などありません。ボックス物に付きものの何十ページにも及ぶパンフレットにも、録音当時の制作者、ジャズメン、批評家などを起用して、ファンが納得するような舞台裏の楽屋ネタが披露されたりすれば、メディアが書き立ててくれて、売れ行きも良くなります。例えば、Jazzs GreatsであるMiles Davis、Sonny Rollins、Art Pepperといったジャズメンが所属していたレーベルが、「50年代」とか、「バラード演奏総ざらえ」とか、「黄金クインテット時代」とか言う括り方でボックス物を出すことが、よくあります。Nelson程度のジャズファンなら、Jazzs Greatsの主だった盤は手持ちにあるか、ジャズ喫茶で聴いたことがあります。ですから、そういう再発売の箱物まで保護する気は毛頭無いので、この手のボックスの手持ちはそれほどありません。世の中のほとんどのジャズファンも、そこまで買う義理は無ねぇわなぁ、と保護を手控えられているに、違いありません。しかしレコード会社も、その辺のファン心理は判っていて、工夫をしています。他では聴けない未発売トラックをその完全ボックスにいくつか入れておくのです。この人の演奏を全部聴きたい人は沢山居ますから、このボックスを買わなきゃダメなのかぁと諦めて、泣く泣く買う羽目になるのです(実際には数年経つと、完全版ボックス物でしか聴けなかった、あの貴重なトラックが聴ける、と称した盤がこっそりと発売されますから、断簡零墨まで聴きたい人はあわてないほうが良いようです)。あるいは、特にバラード物だけを聴きたい人には、このバラード・ボックスは至極便利ですという売り方もします。それでもNelsonは、網羅率が低いジャズメンの箱物が安く転がっていたら、その人の全貌というか、氏素性を確認しておくために買うことがよくあります。まぁ、ほとんどが既聴のトラックばかりですので、そのジャズメンに対する判断が変わることはありませんが、それでもそういう再確認は必要だと思って、中古屋の棚を眺める時に頭の片隅でそんなことも考えているのです。
    丸っきりの未発売録音のボックス物
  • 丸っきりの未発売の録音物がたっぷりある時に、営業的には冒険なのでしょうが、「このジャズメンのファンなら、少々高くてもこのボックスを買わずには居られまい」、と足元を見たように強気になって、ボックス物を売ることもあります。数枚組の、完全新録ボックスという企画になりますから、批評家さんに提灯を一杯付けて貰って、売れるように持って行かねばなりませんから、大変な筈です。まぁ、ばくちのような売り方とも居えます。その中では、Keith JarrettのクラブBlue Noteでのライブ6枚組は、ファンも多く居り、又内容的にも自信があったから、一括してボックスで売ったのでしょうが、結果的には爆発的に売れました。一方、Bill Evansの「The Last Waltz」8枚組ボックス等は、確かに白鳥の歌という位置づけはありましたが、同時期の演奏で前後に「Turn out the Stars」「Consecration」という、2つのボックスが既にあるという悪環境下ですから、それほど売れたとは聞きません
    ボックスとまでいかないセット物
  • ボックスというと、やはり5,6枚位は無いとサマになりません。しかし、3,4枚でもセットにしておくと、結構品動きがあるのでしょうか、そういうセットものはゴマンとあります。ただ単に同時期の録音をまとめたものあり、ある視点で編集したものあり、、、で、これもなかなか面白い買い物です。

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