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「オーディオなんでしょぉ、聴けりゃぁ良ェやん。そう思いません ?」(2)

  • 前回、「Audioなんでしょぉ、聴けりゃぁ良ェやん。そう思いません ?」と書いたことの補足です。
    たかがオーディオ・・・されどオーディオ
  • 「オーディオは、音楽を楽しむ手段でしか無いんですよぉ、、、」と言ってみても、やはり良い音でベースが「ブゥウーーーンッ」と鳴ったり、、、突き刺すようなピアノの高音が決まったり、、、以前は団子になってモガモガしていた演奏に聴こえていたのに、突然、各奏者の音がくっきりと粒立って聴こえ始めたりした時などは、我が装置を褒めてやりたくなるのも事実です。ですから、まぁ、出来ることはして置いた方が、気分が良くなります。
    「無事の音」なのか
  • しかし、皆さんが既に色々と述べておられるように、オーディオは何処をいじっても、音が変わります。 (あるいは、何もいじってなくても、その日の体調によって聴こえ方が変わる場合も、、、) 新発売の機器をオットリ刀で据え付けてみても、自分のシステムでの位置づけが定まるまで、最低でも1週間はかかりますし、色んな編成・時期の録音を聴いてみることも必要でしょう。無理を言って時間を取って貰って、オーディオ・ショップで店頭試聴をして、「これは、良さそうだな。」と思っても、自分の家の環境との相性までは見極めがつきません。入れ替え後の音をサラっぴんの新機器だけのせいにするのもかわいそうだし、リスクが一杯あります。例えば機器内のトランスやコンデンサーが動作電圧に慣れてほぐれるには、連続通電をある程度の日数してやらねばなりませんし、それを言い出すと配線基盤だって、通電時の温度に馴染んで行くには一定の日にちが必要です。「一度に複数か所を変更せずに、変更は一か所に止めて、全体の様子を見なさい」とよく言われるのも、この辺の兼ね合いがあるからでしょう。毎日と言って良いくらいオーディオ機器の試聴を重ねている著名な評論家さんでさえ、長い目で見ると言うことがコロッと変わるんですから、Nelsonも含めたド素人が、オーディオの品質を的確に把握出来ると言うのは、妄想に過ぎません。自分好みの「無事の音」が出せたのに、「タコツボに閉じこもった音」と言われてしまうことがあっても、甘受するしかないのです。
    PCオーディオだって、、、
  • 今をときめくPCオーディオも含めて、地道に研鑽に努めておられるON爺さん(御田さんのブログ)が書いておられますが、あのデジタルの、何だか理屈でキレイに割り切れそうな音の世界でも、現実には再生ソフトどころか、データを格納するHDD、システムを制御するOS、そして機器間でデータのやり取りをするUSB等のケーブルや端子ではっきりと音が変わるそうですから、オーディオが抱える諸問題はLP時代から数十年経過していても、変わりがないようです。HDDでデータをシークする時には、駆動モーターがカクカクと場所移動のために不規則な動きをせねばならず、しっかりした電源がないとその辺がスムーズに行かないのは、CDPやSACDPと事情は変わりません。使用するPCでも、音に触っている時は他の処理をしてはなりません。デジタルの音と言っても、実際にはアナログ素子や回路技術が死命を制しているといいます。
    直流電源の大事さ
  • そしてON爺さんのお話で何度となく、繰り返し指摘されているのが、「電源」の難しさというか、大事さです。上記ブログで紹介されている、トランス等の選択や電源回路の工夫は、自作など数回しかしたことがないNelsonでも納得できる話です。かって(も、あるいは今でも)、MJ誌などで識者が手本を示されて(いたり、あるいは今もそうして)おられるノウハウの大事さを、ON爺さんもしっかりと踏まえられておられます。現実世界では、デジタル再生をアナログ回路でやって、市販のSPを鳴らすしか手がないのですから、負荷変動が連続しても微塵も騒がずに、必要とされる電圧、電流を維持し続ける直流電源があればこその、オーディオの音なんですから。
    Nelsonの場合
  • Nelsonも、昨年春ころにHDtracksから発売されたBill Evans Trio の Waltz For Debbyの「192kHz/24bit(FLAC)音源」には、食指が大いに動きました。(CDは、44kHz、16bit) このハイ・レゾ音源は、20ドルくらいで、例えばPaypal引き落とし等で購入が容易です。自宅でこの名盤のハイレゾ音源を、繰り返してゆっくりと聴いてみれば、LPでも、CDでも聴き取れなかった世界が現れはしないか、という興味が湧きます。別にWeissの100万円超のMAN301でなくとも、去年出たマランツやソニーのものなら2、30万で手に入ります・・・しかし、ここでも、大阪人の悲しいサガでしょうか、まだ一歩を踏み出していません。それは、LPからCDへの切り替えを数年見送り、未だにSACDに手を出さないという、Nelsonの極めて個人的なケチさ加減によるものです。
    「ソフトが、貧弱過ぎるやん。」
  • 登場以来10年を超えるSACDが未だにそうですが、PCオーディオも、市販音源が貧弱過ぎます。普通にジャズを聴いていて、もっと聴きたくなる音源がNelson程度の市井のファンの場合、LPとCDならそこそこと言うのか、充分と言うのか・・・音源が、それぞれ数十万枚分はあり、その網羅率は結構高いレベルにあります。でも、PCオーディオがその域に達することがあるのでしょうか。上記のHDtracksだとジャズが、まぁ、数百枚レベルでしょうか、Blue Note等は名盤が5,60枚掲載されています。やはり、PCオーディオの市場は、まだ先が見えない時期なんでこれからも枚数が増えるのでしょうが、この数を充分と捉えるのかどうかは微妙です。恐らく他のサイトを見ても、名盤ではない端パイ盤は見つからないのかと思います。しかし、ジャズ・オーディオの音にトコトン淫しておられる方なら、「Waltz For Debby」一枚のためだけにでも、PCオーディオへの投資は、妥当性があると思われるのかも知れません。昔日の「ダイレクト・カッティング騒動」のことが、フト、脳裏を過ぎりました。
    RVG リマスターなど
  • 「名盤を良い音で聞きたい」というのは人の常であり、そこを狙えば買う奴が居るだろうというニッチなシリーズとして、かのヴァン・ゲルダー録音をご本人が24ビットで新たにりマスターした再発売盤が結構売れました。ここで大事なことは、これは新録音ではなく、既にあるマスター・テープを念入りにミックスし直したものであり、しかもそれを名人上手と言われるゲルダー本人がやったという点です。スタジオなり、ライブなりを複数のマイクで収録して、それを後日に別のスタジオで各マイクの音量を調整し、帯域バランス等も整えるミックス作業を終えるまでには、相当のノウハウが必要であり、ロイ・デュナンなどがやると確かに西海岸の乾いた空気感が横溢する音に仕上がるから不思議です。昔話になりますが、アナログ時代には、最後に原盤に音を刻み込むカッティングという作業がありました。仕上がったマスターの音量を適切なレベル、つまりカッティング針の振幅を音がクリップしないように振らし過ぎず、しかし迫力十分な音になるように目一杯に振らせながら、慎重に盤に溝を刻みこんだものでした。そこでは、元のテープの音の流れを頭に入れて置くことは不可欠で、ストップ・ウォッチを見ながら音が小さい時間帯の所では針の移動幅を小さくし、クライマックスの時間帯では隣接した溝がカブり合わないように移動幅を大きくするという名人芸をする技師が、どのレコード会社にも一人は居たと言います。話をPCオーディオに戻すと、名盤のハイレゾ音源の場合、原盤に近いアナログ音源を使って最新鋭のAD変換器で24ビットなどに移すのでしょうが、その辺の手際の良し悪しはどうなっているのかなという気がします。RVG Remasterのように、AD変換技師の名前がクレジットされている様子がないので、AD変換での音の変化は無視し得る程度のものなんでしょうか・・・その辺も気になると言えば、気になります。
  • 標題は、松本さんのCMのパクリです。

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