選んだのは
- さて、選んだステップ・ダウン・トランスである調所電気さんの製品のお話です。
ネットで調べて
- オーディオ用のステップ・ダウン・トランスについては、数年前からメディアでも何度か紹介記事が出ています。最近では製品としての位置付けが確立したのか、年間の推奨コンポのアクセサリー部門で受賞する製品が、何回か出ています。更には、ネット上では、既に導入を済ませてニコニコしておられる先達が、沢山の経験談を披露されています。メーカーさんも宣伝のサイトをお持ちです。色んな所をサーフィンしていると、大体この世界の事情が読めてきます。恐らく最初期の方は、大昔に産業用を買って苦労されたのでしょう。その後、ボチボチとノイズなどに意を払ったオーディオ用と称するトランスが売られるようになり、今は10社以上の製品が一覧できます。それぞれのサイトに特徴というか、悪く言えばクセがあるようで、しばらく見回していると、メーカーが言わない、あるいは言いたがらないことも、アブリ出しのように仄見えてきます。
調所電気さん
- Nelsonが調所さんの名前を知ったのは、リストというブランド名での真空管OTLアンプで、おそらくは20年近くも前のことと思います。元来はトランス・メーカーさんで、幹部のどなたかが音楽好きであられたのか、オーディオ関係も手がけておられます。最近はサイト(http://www5b.biglobe.ne.jp/~chosho/)も開いておられて、商品案内の冒頭には景山式かと思われる平面スピカーがデンと鎮座しています。山形県でそういう製品を真面目に作っているメーカーさんだという気がして、電話などで話を聞くと、どうやら調所専務さんがこの方面のご担当らしく、色々とお話が聴けました。ご専門のお話が面白かったせいもあり、音楽ごころがおありのようでもあり、手ごろな価格でもあるということで、ここにお世話になることとしました。お話の様子では、仕上がったコアの内、オーディオ用として使えるのは素性の良いものに限り、なかなか歩留まりが良くないようです。そういう中で選別したコアをお使いになるということで、その辺の話をNelsonが信頼したということになります。
トランスの容量
- Nelsonの入力機器は、メインがWadia 850Stdで、これの消費電力が25W、後はアナログ用の機器ですから、最低容量の1kVAものでも、十分過ぎる筈です。出力機器は、パワー・アンプがMarantz SM17SA Ver.2が4台です。1台当りの消費電力が180Wなんで合計720Wとして、トランスは3kVAものとしました。実際の商品が到着してみると、1kVA(15kg)ものは、「まぁ、こんなものか」という感じですが、一方の3kVA(30kg)ものは「デッけぇなぁ」と思わず叫んでしまいました。調所専務さんのお話でも、3kVAは物量がスゴイので、Nelsonの使用条件では「熱も持たないくらいでしょう。」ということのようです。2台併せて、十数万円の買い物でした。
仕立て
- 本体は、シールド付金属ケースに入っており、200Vは3.5スケアという太めのケーブルで受けるようになっています。100V出力は4口あり、安全ブレーカー、パイロットランプがトランスの一次側に付いています。
絶縁とアース
- 調所さんから買ったトランスは、絶縁トランスです。200V導入の話では、アースの問題も重要なようで、ネット上でも薀蓄を傾ける方が多く居ます。系統からの電力は、近所の電柱にある柱上トランスにおいて、中性線が接地されています。これは、系統で落雷等による不具合が生じても、各家庭の電気機器を破壊しないためのものだと思います。聴き部屋の200Vコンセントには、200Vの他にアースも来ています。ステップ・ダウン・トランスの出力側には、アース付きの100Vコンセントが付いています。どれをどう繋ぐと良いのか、Nelsonのようなド素人には見当も付きません。オーディオのアースにかなり投資をする気になり、自宅の庭の数米地下に強力な接地棒などを埋設されている方は、トランスのアースをこれに繋ぐことも出来るようです。しっかりした接地であれば、暗騒音のレベルがグッと下がって、静謐な音楽が楽しめるそうです。そして、、、Nelsonのように何もしていない人の場合、「アースには何もつながないほうが、一般的に良いみたいです。」と調所専務はおっしゃり、その通りにしています。というのも、家庭内配線の他に、各機器にもアースの問題があり、更にそれらを結ぶケーブルの音にもアースが絡んで来ます。そんな泥沼に首を突っ込む気は無いので、いわゆる「放置」です。
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