200V利用の色んな選択肢
- さて、200Vが活用できる状況になったとして、どういう風にこれを利用法するか、、、というお話です。
200V直接利用
- 既に書いたように世の中には200Vが、そのまま系統から供給されている国が欧州などに多くあります。オーディオで国際市場を目指すメーカーは、200V受けが可能な機器も用意しています。各国毎に専用の機器を販売する場合もありますし、受電部分に切り換えスィッチを付けている場合もあります。例えば、Nelsonの手持ちではJBLのデバイダーが切り換え式の機器です。3端子の受電コンセントの脇に切り換え表示があり、90度づつスィッチの角度をずらすと、100から200Vまでの色んな電圧が選べるようになっています。実際には国によって電源プラグの形状が違うので、サッと差し替えするわけには行きませんが、それなりの変換コネクターを介せば、そのまま使えるのです。恐らく中の電源トランス等が種々の電圧に対応するように作ってあったりして、入力電圧が変わっても出力の直流電圧が回路に適した範囲に収まるようになっているのでしょう。携帯のMP3プレィヤーや、PC等のACアダプターでも、100から200Vまで何でも来いという製品が増えています。
200Vを100Vに
- わが国の場合は商業電源が100Vですから、ほとんどの機器が100V専用に作ってありますし、品揃えも豊富です。従って、オーディオで200Vを使っている人の多くが、コンセントまで引っ張って来た200Vを100Vに減圧して使っています。「それじゃぁ、元の100Vのままでも良いじゃんか。」という声が聞こえそうですが、必ずしもそうでもありません。先ず200V機器は家庭内に少ないので、200Vの電力は汚れが少なく、電圧降下もしていません。100Vの電力は、柱上トランスから近所の複数の家庭にある多数の機器に並列に給電していますから、ノイズ、電圧降下等がありがちです。しかし、200Vでは機器の傍まで来てから100Vに落とすし、オーディオ用にはそれなりのトランスを使って減圧するので、ズッと元気が良いらしいのです。また絶縁トランスでは、巻き線が独立しておりアースも別々なので、ノイズの行き来もカットできます。それから先の話は、ステップ・ダウン・トランスの項に譲ります。
100Vのままでも
- 新築や増改築の時なら兎も角も、普通の時には壁板をはがしたり、大穴を空けてまで200Vを導入するのは、大変です。そこまでしなくても、100Vながらクリーン電源などと称される交流定電圧装置を使う手もあり、これも結構効くようです。これはパワーアンプの一種と考えてよく、楽音は取り扱わずに、100Vのキレイな波形の電力を出力する機器です。これを通すと、少し汚れた電力でもキレイな波形の電力に戻るので、それにブラ下がるオーディオ機器が気持ち良く再生を行えるという仕掛けです。凝った機器ですと、更に電源周波数も可変になっており、例えば100Hzなどにすると、普通の50や60Hzとはまた別の世界があって、良いんだという噂です。ただし、クリーン電源は、パワーアンプをパワーアンプで駆動するので、「屋上(おくじょう)屋(おく)を架す」の感があります。
電力容量
- 直接に200Vを受電するオーディオ機器が無い場合には、減圧するか、安定化装置を使いますが、これも適当なもので良いわけではありません。トランスでもクリーン電源でも、それなりの電力を扱える容量が必要です。CDP等では100W級の電力しか消費しないのでそこそこで良いのですが、パワーアンプなどでは数百Wの電力を消費しますから、それをぶら下げる方の機器には数kW級の電力容量が要ります。ここを小さいので間に合わせると、天罰覿面であり、「何だ、元の100Vの時の方が元気だったじゃん。」というトホホな結果になるようです。
Nelsonの場合は、、、
- 200Vを100Vにトランスで減圧するやり方を採用します。MLやムンドでは、200V駆動の機器もあるようですが、残念ながら手持ちにはありません。殆どが、100V駆動の機器です。
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