家庭内電力
- オーディオ電力の200V化に行く前に、先ずは家庭内電力について整理して置きます。
オーディオと電源
- オーディオは電気・電子製品ですから電源は大事な要素です。日本は、世界的にも珍しい100Vという低圧で、電力会社が家庭に電力を供給しています。家庭内電力には、交流・直流がありますが、これもわが国では交流を採用しており、文明開化の時の名残で東日本は50Hz、西日本は60Hzと、フォッサマグナ近辺を境に分かれています。家電機器、特にオーディオ機器は、装置内では直流電源を使いますので、殆どの場合は機器入り口に交直変換器が付いています。これは、電源電圧や、電源周波数が高いほど、一般的に効率が良いので、わが国は感電事故の抑制と引き換えに、家電機器のエネルギー効率の低さを甘受していることになります。
電源の汚れ
- この十数年来、インバーター・エアコンの普及などもあって家庭内電力は汚れ放題になっています。それぞれの機器が自分の都合に合わせた電力利用をするために電力を好き勝手に切り刻む結果、家庭内配線には高調波が乗りまくっています。加えて、近年はデジタル・オーディオが全盛で、かなり高い周波数までの再生が要求されており、従って各機器共に可聴域よりずっと高い周波数までの増幅が可能となっています。そういう機器の電源にも、家庭内配線に乗った高周波ノイズが入り込んで来ます。その機器は正直にそれも増幅しますから、本来の力を万全には発揮できません。そういう悪さをする家庭電気製品からオーディオ機器を独立させて、何とか気持ち良く働かせられないかという試みは、昔からありました。現在行われているその種の試みの代表格が、波形正常化装置の導入、専用配線の敷設、更には200V化があります。拙宅は築後30年というあばら家であり、今般リフォームに伴い受電容量を60Aにアップする電気工事をするので、ついでに我が聴き部屋に200Vの回線を2回路、既設配線に加えて新設してもらいました。
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