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Tweak -- 使いこなし
    評論家のクセ
  • ある程度雑誌を読んでいると、各評論家の嗜好が判って来ます。そうするとその人の推奨例の目指すところに見当がつくので、そう言う眼でみる事を忘れなければ、役に立つと言えば役に立ちます。ある評論家がアノ会社から金を貰っているのじゃぁないの、なんて世評が聞こえてきて、BBSなどで公然とその比較を載せたりする人も居ます。虚実半々、と言っておきましょう。次項の「装置の馴染み」でも触れますが、短時間で装置の能力が判る訳は無く、評論家は他の場所で聞いた経験も踏まえて、想像も含めた記事を書いているのです。その辺が飲み込めてない人は、丸っきり信じ込んでしまって、アテが外れる事がありますので、注意が肝要です。つまりその辺を心得た上で、評論家を巧く役だてる人には、役に立つ存在だと言う事になります。
    装置の馴染み
  • 評論家さんもずるくて、上記の推奨例比較記事では滅多に言いませんが、別の記事では「どんな装置だって、1か月、時には一年くらい経たないと本当の力は判らないよ」とか、自分の装置について「変更したばかりでまだ音が落ち着いておらず、暫くはこの装置の本領は発揮できない」等と書いています。「オイ、オイ、そんなことチャンと書いとけよ」と思いますが、それを書いちゃうと推奨例記事が成立しないので、そこではそれは書かないか、書いても編集者が赤ペンを入れるのです。装置の馴染みは確かにあります。ただしそれが一年も掛かるものかは疑問だと思います。1週間か、2週間くらいの間は、結構変化しつつ落ち着いていく気がします。そして少なくともある機器を手に入れて電源を入れてから直ぐに聴いても寝惚けていた物が、何日か経つと俄然リキを出し始めて、「うれひーよぉ」と言う事は経験しています。ということは、組み合せ推奨例の記事や、はっきり言って店頭での試聴等では見当をつけることは出来ても、それにも限界があることは肝に銘じる必要があると思います。実際に買ってみて家に置いて、じっくりと聴いてみると、必ずしも期待したほどではないことがあります。大体、導入直後は機器の配置を調整したりして、変化が多い時期ですし、中には接続コードの曲がり具合などが馴染むのにも時間が要ると言う意見もあります。
    アクセサリィの追加と一対比較
  • 機器というほどではないにしても、インシュレーターや接続コード、バナナプラグなどの締め具合、ラックでの配置順序なども結構効く気がします。大した金額でないので試みる人も多いのですが、ここでは一対比較の原則が大事です。一度に変えるのは一つのアクセサリィ、機器にしないと、何が原因の変化なのかは、パソコンの不調の原因と同様に、巧く切り分けられません。何時でも元の状態に戻せるようにしておくとか、ステレオの片チャンネルだけいじって左右を比較するとかの配慮が必要です。誰でも金を払ったものはいいと思い込みたいものですから、「良くなった」ではなく「変わった」だけなのに、喜んでいると言う事になりかねません。「そんな面倒なことでけんよ」という人は、結果を誤解する事もある、という事を心得ておく必要があります。更に、暫く聴いておかしいなと思ったら、勇気を持って、そのアクセサリィを取り除く事が大事です。機器の更新があったときに、その機器が原因で音が変わったのか、それともその前のときに買った機器、アクササリィが実は良くなくて、全体がおかしくなったのかもよく見極めるべきです。その辺をちゃんと手順を踏んで確認しないと、物事が少しづつおかしくなります。段々妙な道に迷い込まないようにするためにも、そういう冷静さを保ちましょう。
    訪問クリニック
  • オーディオ雑誌でよく見る記事に、訪問クリニックというのがあります。気鋭の評論家が読者宅に乗り込み、悩みを聞いてそれに改善する機器を同行のヴァンからサッと取り出して繋ぎこみ、「どうだ、悩み解消だろう」と大見得を切る、という趣向です。しかし乏しいNelsonの経験から見ても、「そんな事って出来る筈が無い、訪問クリニックって何なの」、と思います。読者の不満を聞いて、車に載せてきた代替機器に繋ぎ変えて、「どうですか」、「いやぁ、すっきりしましたねぇ。これは良いなぁ。」、「それが直ぐに判るとは、良い耳をしてますねぇ」なんてやってますが、ホントですか。読者は「折角偉い先生に来てもらって診断してもらい、しかも雑誌に載るんだから良くなる筈だ」と言う。評論家は「手前ェ、こんな遠いところから応募しやがって、代えてみたいという機器まで積んできてんだからな、良くなってませんとか、全然変わりませんなんて言ったら承知しねェかんな」と言う、なんてことは無いのでしょうか。見渡すと、それなりの方は記事にかなりの留保をつけて、直ぐに改良なんてありえないことをそれとなく匂わす発言をしていますが、殆どが「恐れ入ったか」、「参りました」スタイルで、何ともはや気になります。
    余り神経質にならずに、、、
  • オーディオは趣味です。研究では有りません。探求もある程度にしないと、いっつも装置をいじったり、入れ替えたり、音楽を聴くヒマがありません。大体、何時も装置を睨みつけて、おかしなところは無いか、なんて考えながら聞くものではありません。ゆったりと聴くものです。「機器を変えたけど、音は変わらないなぁ」位で良いのです。普通は、それくらいのものです。装置の音は、体調、季節、音量、ソースでも結構変わりますから、あまり短兵急に物事を解決しようとせずに、ジャズをじっくり聴きながら、たまーに装置のことを考えるようにしましょう。その方が、精神衛生上もいいはずです。

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