「愚公Nelson、山を移す」(^^;
- 年末から取り組んでいた我が聴き部屋の床補強は、殊のほか重労働で腰にこたえました。でも、その結果、「音量目一杯でも、オーライ」に仕上がりましたので、その成果を誇大宣伝したくなりました。すなわち、名付けて「愚公、山を移す」です。
安手のプレハブ
- Nelsonの家は、安手のプレハブで、床はブッ太い根太に厚手のパーチクル・ボードが直接乗っかり、その上はカーペット仕上げという簡素なものです。この床は、ペコペコと言わないまでも頑丈には程遠く、子供が小さい時には「今は、部屋に居るなぁ。」と1階からも判る程度には軟弱でした。今回の床補強前は、機器の周辺を少し頑丈にする程度でお茶を濁してました。
床の補強
- 今般、その既存床に、先ずは3ミリのゴム・シートを敷き詰めました。3ミリとはいえ、このゴム・シートは1平米もあると、取り扱いには「ウンとこしょ、、、」と、掛け声が要るほど重いものです。さらに、その上に12ミリのコンパネを、「芋張り」ではなく「千鳥に」2枚重ねで設置しました。これも、玄人さんではありませんので、ワゴンで運べるようにサブロクを60センチにカットしたものが売られており、それを利用しました。この幅だと、普通の大人でも扱いは楽です。それをどんどん敷いて行った上に、50センチ角のカーペット張り込みとしました。これは結構寸法精度があり、隙間はできません。取り敢えずは、コンパネは貼らずに置いてありますが、仕上がりを見極めたところで、きれいに釘打ちする予定であり、また一段の静音性の向上がないかと期待しています。約11畳の面積にこれらの補強をするには、相当量の資材が必要です。さらに、部屋の中の既存の家具、機器の下にこれらを敷くわけですから、一時的にそのような機器は撤去・移動し、さらに復旧しなければなりません。
後悔、先に立たずとか
- これらモロモロの作業は、結構な重労働で、資材を買い始めて暫らくすると、「トンでもないことを始めてしまった」と後悔しました。ジックリと取り組んだので、全工程で3週間くらいは要した勘定になります。何しろ、資材を買ってきて、庭から2階に揚げるのが先ず難題で、工程の進捗と、こちらの体力及び意欲の充実を見計らって、少しづつ、少しづつの荷揚げです。高校時代のワンゲル部活における「ボッカ」、更には「荷揚げ」という用語を、身に沁みて思い出したのでした。
「愚公Nelson、山を、、、」
- 無論、本職の宮仕えの方が手間取ったり、やる気の出ない日は休工(^^;です。ある程度作業が進むと、2階全体にモノが散乱して就寝は不可能となり、ご本人でさえ「目も当てられン惨状やなぁ。」と気落ちする有様でした。しかし、そこは長年のジャズ狂いの執念でしょうか、「動くとも見えで畑打つ男かな」てなもんで、毎日の作業は劇的には進まないものの、シコシコと弛(たゆ)みがありません。針小棒大に言えば、「愚公、山を移す」という中国古来の譬(たと)えのとおりです。(その逸話によれば、90過ぎの愚公という爺さまが、長の年月の末とは言え、二つもの大山を動かしてしまったそうです。) 徐々に、進捗率が数%から半分になり、半分が後もう少し、そしてメデタク仕上がりにこぎ着けたわけです。
更に、、、
- スピーカー周りは、やはり充分な手当が必要ですから、これまでの置き台に加えて、「ピンコロ」と称されるコンクリートの直方体(20 x 20 X 15センチ)を、見場の良い布で化粧張りしたものを、4隅に追加しています。本体も入れて、軽く百キロを超える重量でしょう。(他人事みたいな書き振りやなぁ(^^; 補強もここまで来ると、「床、大丈夫なの。落ちないの。」とカミサンに心配されてしまいました。この措置には、重量付加と同時に、カサ上げの効果もあります。ウーファーの取り付け位置が低かったので、床による低音かぶりが前から気になっていましたが、カサ上げにより床による反射の悪影響も軽減されたわけです。無論、ピンコロの隙間、キャビネット底板との間には、着なくなったスキー・セーターなどをフンワリと放り込んであります。
ほぼ最大音量で、、、
- この補強のお陰で、先ず床がしっかりした感じが足裏でも感じられるようになりました。そして何よりの朗報は、Nelsonとしての最大音量レベルの再生でSteve Grossman Quartetなんぞを聴き狂っても、階下のリビングでは「上で、何か音楽でもかかっているのかな。」程度の感じに収まったことです。以前は、そのヴォリューム位置よりも少し下のレベルでも、階下に行くと「おっとぉ、階下でもこんなに聞こえるんだぁ。」(^^;とヒヤッとしていたのです。それが、今は「音量目一杯でも、結果オーライ」な感じですから、相当の改善になっています。
「足ごしらえはしっかりと」
- やってみて判ったことで、考えてみれば当然なんですが、従前の配置における最大音量時には、聴き部屋の床全体が微妙に震えていたのかも知れません。その奇妙な振動が階下からは、異音となって漏れ聞こえてしまっていたようです。それが床の補強と、キャビネット足回りの振動遮断及び剛性強化により、ほぼ抑えられてしまいました。やはり、「足ごしらえはしっかりと」は、基本のようです。これは、実は部屋の横使い、吸音材の配置、ラックの交換等々が相まってのことなのですが、まぁ、このメモ自体が誇大広告のメモなんで、床補強のなせる所としておきます。腰を少し傷めはしたものの、この労苦の成果は弊社比ながら格段の改良です。今は、後顧の憂い無く、「大音量が出せるでぇ」の世界にひたれます。
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