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アナログ全盛時代にマニアが強行した数々の暴挙(^^;
  • まだまだ機械的な部分が大半を占めていたからでしょうか、アナログ系の音作りに入れ込んだ方は多く、あの時代の、あの熱気のなかで色んな工夫が紹介され、それを皆がまた真似るという悪循環(^^;が成立していました。
    世の中には凄い人たちが居たもんで、、、
  • そういういじり倒し(失礼)を、入り口から順番に挙げると、次のようなものがありました。いずれも「そこまでやるのぉ」というものですが、今となっては微笑ましいとも思えるから不思議です。
    • ユルユル針(MM等では針の押し込み方を自分で調節できるので、ワザとユルユルにすると音が良かったとか)
    • ゴミ取りほうき付きカートリッジ(針とは別にほうきを付けて、ゴミ取り、静電気の除去、盤の波打ちの緩和)
      アーム式のほうきの他に、カートリッジ自体に初めっからほうきが付いているものもありました。
    • カートリッジとシェルの接着(針による発電の支点の明確化)
      製品として一体不可分なものから、自分で接着するものまでありました。
    • シェル・アーム嵌合部のゴムのワッシャー化(同上)
      中には半田が最適という人もいました。
    • アーム内配線の交換(好みの材質の線に交換)
      まだ電線音頭ははやっていませんでしたが、カートリッジ近辺は微小電流を取り扱うので、ケーブルの質が一番最初に問題となったのも自然です。特に、銀線に交換するマニアが多く居ました。
    • 木製アーム(アームの振動緩和)
      これは米国のグラドに端を発するものと思いますが、国内でもグレースにG714というチーク材の製品があり、実はNelsonも使っていました。
    • 移動式のアーム・ベース(アーム交換の容易化)
      ベース付近のボードを切り抜いて、標準アームとロング・アームとが簡単に交換できるようにする方式で、特にアームの動作の安定性向上を狙って、鉛の塊を使う人も居ました。
    • 重量級アーム・ベース(アーム動作支点の明確化)
      ベースにアームをはめ込む部分の弱さに目を付けて、重量のある錘をベースに一体化して付加して、アームの不要振動を無くすものです。SAEC等がオプション部品を出しており、Nelsonは今も活用中。
    • 真空吸着ターンテーブルあるいはディスク・シート(ディスクの波打ち解消を含めて、ディスクとターンテーブルを大気圧により一体化)
      マイクロ最終期のものはすごかったですねぇ。
    • ターンテーブルの真鍮、砲金、ステンレス化(ターンテーブルの極僅かな鳴りの調整と、慣性質量の増加)
    • 糸ドライブのターンテーブル(駆動モーターの振動の回避)
      ダイレクト・ドライブは「カク、カク、、、」と動くんだと称して、ベルト、リム、糸等による旧来のドライブ方式にこだわる人が多く居ましたが、その中でも糸が最高だとか。「コレコレの糸が一番良い。」とか、のたまう方も、、、
    • ターンテーブルの重連駆動(同上)
      最初のターンテーブルから糸などを出して、更に重量級の慣性モーメントの巨大な2番目のターンテーブルを駆動する方式。2番目のタ−ンテーブルはモーターの駆動部分を持たないので、モーターの振動や磁気から開放されて、回転は滑らかさの極致に至る。ただし、2番目のターンテーブルが定速化するには相当の時間を要した。最初のターンテーブルを遠く別室に設置した人も居たとか、、、
    • 駆動モーターの大地直結設置(同上)
      屋内や床の微小振動まで嫌えば、地面からコンクリートの塊を立ち上げてターンテーブルを設置するしかありません。妻子から如何にあざけりの視線を受けようとも、やるっきゃぁ無い。趣味、道楽の行き着く先はコレです。

    今も、、、
  • このようなあきれ果てた暴挙の数々は、今も一部でひそかに試行されているそうで、それほどにアナログの世界は奥深く、玄妙なるモノのようです。

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