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インシュレーター

  • インシュレーターには、色々有りますが、結構Dupont Coreanという人工大理石を使っているというお話です。
    振動への対応
  • オーディオ機器に対する振動の影響は、Nelsonのようにアナログ時代からの世代では重要で、静止状態のレコードにカートリッジを乗せて、ヴォリュウームをあげてもハウリングなしで大丈夫。それに飽き足らず、その状態でプレィアーの各部をたたいてもハウリングをしないどころか、ボッとでる衝撃音が締まった音かまで追い込むことを良くやりました。CDになって、そんな事は気にしなくても良い、と言われたのは当初の数年のことで、やはり振動対策は重要ということに直ぐなりました。振動には部屋の居住状態から来る大き目の振動と、各部の部品や接合部が微視的に動く小さ目の振動があります。それらに応じて、手を変えた対応が必要です。その時にどうも重要かなと思われるのが、同じ素材を使いすぎないこと、色々試すこと、制振だけではなく、うまく逃がすことも考えること、使い過ぎで音を殺しすぎないこと、等に注意が必要なようです。インシュレーターに関して、幾つかの工夫を紹介します。無論、その部屋で聞くのは本人しか居ないのですから、人それぞれの独自の工夫が必要であることは言うまでもありません。
    硬いの、柔らかいの
  • インシュレーターの硬いのと言えば、焼結カーボン、金属(真鍮、アルミ等々)、岩石、セラミックがあります。柔らかいのと言えば生ゴム類、ソルボセイン等の合成物、金属・非金属のバネ等があります。柔らかい方の材料では、弾性材と塑性材があります。前者は元に戻り、後者は凹んだら凹んだまま、というものです。これらを色々試してみると、だんだんに使い方と、自分の好みが分かります。世評で酷評されているものでも、自分が良いと思えば、それはその人にとって「良い材料」ですから、使うのに遠慮は要りません。
    Dupont Corean
  • 上記したDupont Coreanは、ユニット・キッチンの天板等に使われる人工大理石です。実際は大理石とはかなり異なり、水酸化アルミか何かだと思います。かなり硬いのですが、ジグソーで加工できるうえ、切るのに若干のコツがいるので分かるとおりに、相当に「粘り」がある面白い材料です。数年前からインシュレーターとしても商品化されています。昔のMJ誌を探せば、材質、物理特性、利用法の記事が有ります。でも、サンプル程度に欲しかったらインテリアか建材店に行くと、キッチン工事で残った切れっ端を呉れるでしょう。平面性が良く、薄板でも反らないだけの強度があります。板状で出荷されているので、好きな大きさに切れば、直ぐにインシュレーターに早変わりします。硬い割に叩いても振動しないので、吸振性が結構良いようです。金属だと妙な音が付きまといますが、これは余計な付帯音が無いというのが世評です。数cm四方に切って、色んな所に噛ませて他のものとの比較をしてみましたが、結果オーライです。
    スピーカー
  • Nelsonのは、いわゆるフロア型ですから、スタンドの話は分かりません。2階ですので、先ず床に直接に数十cm四方の松の集成材を敷いています。厚さは数cm有ります。その上に、セメント塊をブチルゴムで巻いたものを4個置いています。ここまでは、主に床の制振と、逆にスピーカーの振動を床に伝えないための重さによる制振です。セメント塊に谷間が出来ますから、試聴しながらセーター等を厚さを変えつつ適宜選んで、フワッと置いています。その上に、自分で10cm四方に切ったCoreanを介して、スピーカーを置いています。大音量派なので、これくらいが丁度良いと思います。無論、見場を良くするための化粧はしています。
    個別の機器
  • 数台のメインアンプは、パイプ・ラックに乗っています。全体重量から考えると、これくらいの耐荷重がいります。棚自体はパイプ網なので、通風の妨げにならぬようにゴムで裏打ちされた固めの絨毯を適当な形に切って棚網の完全な制振をしてあります。そして、更にアンプの足はCoreanを介して乗せるか、更にアルミまたは真鍮のコーンで三点支持しています。長時間使用状態で、どのアンプも似た温度になるように、上下の配置を工夫しています。CDP等も同様です。問題はアナログ・プレィアーです。今のところ、マイクロ本体のインシュレーターだけで、その下にCoreanを入れています。ハウリング上の問題は有りません。ラックは色んな物を試しましたが、耐荷重、制振、放熱、ケーブルの引き回し等々から、今はこれでやっています。放熱の面でも、通気及び開放性は重要です。アンプ、特に電解コンデンサーは使用環境温度が一度でも高いと、劣化の度合いが増えます。大事に使いたいものです。
    音の変化
  • Nelsonは、このような工夫が具合良いとということで納得しています。音がすっきりしたと理解しています。ラック、機器及びケーブルを局所的に打撃、圧迫しても、音に変化はありません。特に、ケーブルを叩いても異音がしないようになるのに、結構手間がかかりました。無論、他のことの影響もあるでしょう。例えば、電源の極性は、個別に機器を切り離して、電圧指示値の低い方で統一してみて、一応収まっています。できる限り、コンセント直付けとし、タップが必要な時は、抜け止め付きタップにエポキシ詰めをしたものを自作して使っています。電源ケーブルは、太目のキャブタイヤです。米国製の高価なケーブルや、医用コンセント、壁の中の屋内配線材、大地アースにまでは、手を回していません。ケーブルの話は、別途書きました。
    使ってみて
  • 今は、これくらいか、と思っています。できる限り、秋葉等での試聴の機会を作って聞き歩いています。Nelsonの嗜好にあった音の傾向を頼りに、システムの維持・改善には今後とも意を払っていきます。

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