Whisper not/ Art Blakey and the Jazz Messengers / Live at the Club St. Germain, Paris, 1958/
「この盤を知らなかったら、ジャズファンだとは言えない」という名盤「サンジェルマンのジャズメッセンジャーズ」 盤(右掲)中でもお好きな方が多いのが、ここに動画がアップされている 「Whisper not」です。 どなたの耳にもすぐ馴染むマイナーの旋律がBメロも含めて、20分もかからずに書けた と言いますけど、そんなことがあるんですね。 そして5分45秒辺りから、テナーのソロにかぶさりながら管の合奏が割り込んできます。 原テーマとは味わいが違っていますが、しかしこんなにキレイに息が合った合奏 ですから、「アドリブじゃないなぁ・・・」と気付く通りに、コレは用意周到に準備されたリフ です。
Nelsonがこの世に「セカンド・リフ」なる楽しいオカズあることを、この本線モダンジャズという魔道の先輩(orz) から教えられたのは、多分この演奏がシャンクレールでかかった時でした。熱心に聴き入る他のお客さんを気遣ってヒソヒソ声で説明されて、「カッコ良いけど、そうかぁ、コレは良くやる嵌め手 なんだなぁ・・・」と賢くなった気がしたのを憶えております。
この嵌め手の考案者は作曲者のBenny Golson で、御大のArt Blakeyも座持ちがするイタズラは進んでやりたがる方なんで、この曲をやる時にはほとんど必ずこのタイミングで、このオカズが入りまです。実はこの曲の初録音は、「Lee Morgan Sextet」 であり、そこでもこの手を使っていますが、それはまた別の話にします。
このような行進曲風のリフ は他にも例がありますが、とりわけ我が御大は自分のドラムスが目立ち、又お客さんも盛り上がるこういうリフが大好物です。そういうクスグリ をして置くことが、メンバーとしてのギャラ配分 にも効いてくることがゴルソンの念頭にあったか、どうか・・・多分、そうに違いありません(^o^)。