Humphrey/ Benny Green/ Testifyin'/
- これまで取り上げてきた「Confirmation」とか、「Dat Dere」といったジャズファンおなじみの曲ではなく、耳馴染がないオリジナル曲の演奏でも、事前の打ち合わせで「ここんとこで、ちょっと何かリフを入れっからな・・・」なんて感じなのかなと、ライブに良く行かれる方は時々経験されている筈です。
- ココで採り上げる「Tesitifyin'/ Benny Green」盤は、若くしてオスピー張りの練れたピアノを聴かせてジャズファンを喜ばせた新人が、ジャズの殿堂「Village Vanguard」で録音したライブ盤です。脇が、Christian McBride (b)、Carl Allen (ds)という手練れなんで、実に良いトリオ盤に仕上がっています。
- ライブでタップリと時間があるからでしょうか、オリジナルの「Humphrey」等を披露して才能を感じさせるNYCデビューになっています。このオリジナルは良い曲で、後年女性ヴォーカル入りの録音もしていますから、結構自信があるのでしょう。この演奏では、御承知の通りに狭いクラブなんで、聴衆が眼前に座っている場での演奏で、ドラムスのソロに入る時にセカンド・リフを捻じ込んでいるので、採り上げてみました。
- コレの動画はココにあります。この盤自体は・・・というか彼をこのサイトのデータベースに採り上げていないので、好演盤登録をしていませんが、手持ちも数枚ある、もう中堅の地位を確保しているピアニストです。。
- イントロ無しで前テーマに入るのですが、
くだけたギグでやったオリジナルなんで、簡単なリフ曲と言えますが。演奏が進んで行ってドラムスの巨漢、Carl Allenとの掛け合いになろうという時に、
ピアノがセカンド・リフを入れ、それに応じたドラムスと何度かこのセカンド・リフが繰り返されます。ドラムスと絡むバース・チェンジが2,3回繰り返されてから、ドラムスが叩きまくるという展開になっています。
- この流れは、例えばBobby Timmonsが「Dat Dere」でやったような、事前にかなり作り込んで思わず聴き惚れる程の別テーマとも言える長さもあるリフを挿入する・・・というのとは違って、2時間くらいのヴァンガードでのギグの中で、「こんな曲もあるですけど・・・」と挟み込もうとした自分のオリジナルの演奏でのリフ挿入です。別の見方からすれば4バース・チェンジとも言える部分で、リフを捻じ込んでみた感じです。つまり、セカンド・リフと言っても、結構練り上げるアプローチと、軽くヒネリを入れて見るというアプローチとがあります。その辺は、ライブに多く行かれている方なら先刻ご承知のことで、つまりケのギグでは所々で息抜きを楽しむことが良くあります。
|